ビットコイン、イーサリアム、XRPの乱高下で4億5000万ドルの清算が発生
  • アメリカの関税が発効し、市場が変動したことにより、暗号資産先物取引で4億5000万ドルの清算が行われた。
  • トランプ大統領は自動車と主要貿易相手国に対して大きな関税を課し、市場に混乱をもたらした。
  • ビットコインやその他の暗号資産は市場の不確実性を反映し、当初は上昇したが、その後、急落した。

通常よりも高い市場の変動性(ボラティリティ)は、強気派と弱気派の両方に影響を与えた。アメリカの関税が発動されたことを受け、暗号資産(仮想通貨)先物市場では過去24時間で4億5000万ドル(約675億円、1ドル=150円換算)の清算が行われた。

ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は、自動車輸入品に25%、アメリカへの全輸出品に最低10%の関税を正式に課した。アジアや欧州連合(EU)といった最大の貿易相手国には追加関税が課され、中国は複数の品目で50%、インドのいくつかの品目で26%の関税が課されることになった。

市場は混乱し、アメリカの株価指数と暗号資産は過去3日間の利益をすべて失った。アジア市場は4月3日早朝に急落し、アメリカの10年物国債利回りは5カ月以上ぶりの最低水準まで下落した。ゴールド(金)は新たな最高値を更新した。

投資家が経済の変化による長期的な影響の軽減を期待する中、ビットコイン(BTC)は一時8万7000ドルをわずかながら上回った。週明けにはリスク選好の兆しが見られ、主要な暗号資産であるイーサリアム(ETH)とエックス・アール・ピー(XRP)はそれぞれ1900ドル、215ドル以上で取引された。テクニカル分析では、短期的にさらに上昇する可能性を示唆している。

しかし、熱狂は長くは続かず、主要コインは2日の高値から最大5%下落した後、徐々に安定した。

3日のアジア取引時間午前中、ビットコインは8万3500ドルをわずかに上回る水準で取引され、イーサリアムは1800ドルをわずかに上回る水準で取引された。しかし、東京市場の取引開始後に急落したため、1日からのすべての利益を事実上帳消しにしたことになる。

その結果、強気派と弱気派の両方のポジションで2億3000万ドル(約345億円)を超える清算が行われたことがデータから明らかになっている。これは異常な動きである。BTC先物ではロングとショートによる清算だけで1億7200万ドル(約258億円)を超え、次いでETH先物が1億2000万ドル(約180億円)、小規模なアルトコインが5000万ドル(約75億円)となっている。

清算とは、トレーダーの初期証拠金の一部または全部の損失により、取引所がトレーダーのレバレッジポジションを強制的にクローズすることを指す。これは、トレーダーがレバレッジをかけたポジションの証拠金要件を満たすことができない(取引を継続するための十分な資金がない)場合に発生する。

通常よりも多くの清算は、急激な価格変動のローカルな天井または底を示唆している可能性があり、トレーダーはそれに応じてポジションを調整することができる。しかし、3日の清算は市場の不透明さの兆候と見なすこともできる。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Wobble in Bitcoin, Ether, XRP Prices Cause Crypto Bulls and Bears to See $450M Liquidations Each