Facebookのデジタル通貨リブラを運営するリブラ協会のメンバーであるBison Trails(バイソン・トレールズ)が、シリーズAラウンドで2550万ドル(27億円)を調達することを明らかにした。2018年設立の同社はブロックチェーンインフラを提供するスタートアップで、19年3月にも525万ドルを調達している。
ブロックチェーン・キャピタルやクライナー・パーキンスが参加
ラウンドのリードはベンチャーキャピタル(VC)のブロックチェーン・キャピタル(Blockchain Capital)で、クライナー・パーキンス、コインベース・ベンチャーズ、コンセンシスなども参加している。3月の調達では元ゴールドマン・サックスのマイク・ノボグラッツ氏が率いる仮想通貨投資会社ギャラクシー・デジタルなどが参加していた。
バイソン・トレールズはリブラ協会の創立メンバー。その中で唯一のブロックチェーンインフラ企業で、いわゆるIaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)を提供しており、ブロック生成とトランザクション検証を備えたブロックチェーンシステムが簡単に構築できる。ノードをわずか数回のクリックで立てられるという手軽さだ。
同社は発表で、「2020年にはエキサイティングな商品をいくつも発表する」「新時代の分散型サービスのサポート、新興技術へのアクセスの民主化、影響力の大きなオープンソース運動の強化に深くコミットし、Web3.0をさらに強力にする技術的基礎の構築にも熱心に取り組む」などとしている。
重要な投資テーマになりつつあるブロックチェーンインフラ
インフラプロトコルはブロックチェーン産業での重要な投資テーマになってきているとCoinDeskは指摘している。
中国発のNervos(ネルボス)は10月にSTOを実施し、7200万ドルを調達。今月メインネットを公開した。ネルボスはBtoB向けのオープンソースのパブリックブロックチェーンエコシステムで、企業にブロックチェーンインフラを提供する。共同創業者にはイーサリアム財団で研究者を務めたジェーン・シエ氏や、IBMシリコンバレーでデータソリューション開発に従事したケビン・ワン氏らが名を連ねており、高い注目度を誇っている。
文・編集:濱田 優
写真:Bison Trails Webサイト