500万円の盆栽NFTが完売、ソニーグループのRWAプロジェクトが示す可能性

ソニーグループ傘下のSNFTが実施する、実物アートとNFTを紐づけるプロジェクトの第一弾として、3月31日から販売された盆栽のNFT所有権が4月3日に完売した。
販売されたのは、盆栽師・平尾成志氏の作品「曲」と「線」の2点。所有権をNFT化し、それぞれ税込み500万円でマーケットプレイス上に出品されていたが、わずか3日で完売した。実物資産をブロックチェーン上でトークン化するRWA(Real World Assets)の取り組みが国内でも加速しているが、今回の盆栽NFTの完売もユーザーの関心の高さを示していると言える。
同社は3月から、「SNFTデジタルフィジカルアート」プロジェクトを始動。その第一弾として、盆栽を世界的なアートとして発信する「BONSAI NFT CLUB」などと連携し、盆栽の所有権をNFT化する「BONSAI NFT GALLERY」を展開していた。
CoinDesk JAPANは4月3日、「曲」と「線」の取引を進めたまじすけ株式会社の間地悠輔氏(通称まじすけ氏)に確認を取り、完売を確認した。
3月7日に都内で開催された記念イベントでは、まじすけ氏が「盆栽は10年、100年と成長し続けるアート」と述べ、ブロックチェーン技術を活用することで所有者の変遷や評価の履歴を記録できる点を強調していた。NFTによる評価の可視化は、盆栽のような伝統文化の価値をより広く伝える可能性がある。

今回の2作品の所有者は、埼玉県にある盆栽園「成勝園」で専門家による管理を受けることができ、所有権の二次流通はNFT取引サイト「OpenSea(オープンシー)」で行えるという。
今回の取り組みの詳細や今後の展開は、追ってお伝えする予定だ。
|文:橋本祐樹
|トップ画像:NFT化され完売した「曲」と「線」(SNFTのサイトからキャプチャ)