パウエルFRB議長、政策緩和の約束せず──FRBは引き続きインフレに注目

- 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、大統領の関税政策が市場をパニックに陥れても、インフレから目を離さないことを約束した。
- パウエル議長は、FRBは現在の政策の調整を検討するのを待つことができると述べた。
- 米国株は2日連続で急落しているが、ビットコイン(BTC)はデカップリング(分離)の兆しを見せ始めている。
4月2日のトランプ大統領による関税発表と、それに続く2日間の株価急落を受けて、FRBの大幅なハト派への姿勢転換を期待していた投資家は、少なくとももう少し待つ必要があるようだ。
パウエルFRB議長は4日の講演で、「我々は、政策スタンスの調整を検討する前に、より明確な情報が得られるのを待つ態勢が整っている」と述べ、次のように続けた。
「金融政策の適切な道筋を語るのは時期尚早だ」。
パウエル議長は、関税が予想よりも「かなり大きい」と指摘した上で、一時的にインフレ率が上昇することは確実だが、それが持続的なものにならないようにするのがFRBの仕事だと述べた。
パウエル議長の講演を控えて、おそらくパウエル議長がよりハト派的なスタンスをとることを期待してか、ビットコインは8万3000ドルを割り込み、24時間前とほぼ横ばいに後退した。暗号資産(仮想通貨)は株式よりもはるかに好調で、ナスダックは昨日の6%暴落に続き、4日は4.2%下落している。
トランプ大統領、率直なコメント
パウエル議長の講演に先立ち、トランプ氏はFRB議長に注文をつけた。
「ジェローム・パウエルFRB議長が金利を引き下げるには、今が絶好のタイミングだろう」とトランプ氏は自身のSNSトゥルース・ソーシャルに投稿し、次のように続けた。
「彼はいつも 『遅きに失する』が、今ならイメージをすばやく変えることができる。…利下げだ、ジェローム、政治的な駆け引きはやめろ」。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ジェローム・パウエルFRB議長(Domenico Fornas / Shutterstock.com)
|原文:Jerome Powell Makes No Promise to Ease Policy; Fed to Stay Focused on Inflation