金連動型暗号資産、株式市場の暴落の中で史上最高値から後退

- トランプ大統領の相互関税に市場が反応し、史上最高値を記録した金は下落した。
- 世界の株式は4月3日、暴落し、投資家は現金を調達するために金を売らざるを得なかった。
- ポーランドと中国を筆頭に、中央銀行は2月に金を買い増した。
パックスゴールド(PAXG)やテザーゴールド(XAUT)のような金に裏付けられた暗号資産(仮想通貨)は、ドナルド・トランプ米大統領が相互関税を発表した後、1日で米国株だけで2兆5000億ドル(約365兆円、1ドル=146円換算)を消し去った世界的な金融市場の売りの中で、4月4日に記録的な高値から後退した。
金の現物に裏付けされ、その価格を追跡するこれらのトークンは、投資家が関税によって生じた不確実性からの逃避先を求めたため、当初は上昇した。
金は通常、避難先資産とみなされるが、株式市場で大規模な損失が発生すると、投資家はマージンコールをカバーし、損失を現金化するために、より安全な資産を清算せざるを得ないことが多い。
PAXGは史上最高値の3191ドルまで上昇し、XAUTも僅差で3190ドルに達し、金現物の史上最高値3167ドルを上回った。しかし、上昇は続かず、金が1オンスあたり3038ドルまで下げたのに伴って、PAXGは3074ドルに、XAUTは3064ドルに下落した。
2日に発表された関税は、その幅の広さと対象の不明確さで市場を脅かした。すでに不安定な世界情勢に苛まれていた投資家たちは、すぐに反応した。
S&P500は3日、2020年の新型コロナウイルスによるパニック以来の急落を記録し、ナスダック100は、世界の資本市場に関する論評を手がける「The Kobeissi Letter」によると、史上最悪の1日の下げ幅を記録した。暴落は2日目も続き、MSCIワールド・インデックスは3日に3.7%下落した後、4日にも4.3%下落した。
それでも、金を裏付けとするトークンは年初来では17%高を維持している。米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ、アジアからの持続的な需要、そして中央銀行による購入が上昇を牽引してきた。
ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council)によると、2月の中央銀行による金純購入量は24トンだった。
購入量が一番多かったポーランドは29トンを追加し、外貨保有高の20%に当たる480トンを保有している。中国、トルコ、ヨルダン、カタールも金の保有量を増やした。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Scottsdale mint/Unsplash
|原文:Gold-Backed Cryptocurrencies Retreat From All-Time Highs Amid Stock-Market Rout