Aptos、「Global Trading Engine」構想を発表──万博が普及を促進するか

レイヤー1ブロックチェーンのAptos(アプトス)を開発するAptos Labs(アプトス・ラボ)は4月4日、国境を越えた24時間稼働の資本市場を目指す「Global Trading Engine(グローバル取引エンジン)」構想を発表した。

アプトス・ラボと戦略的パートナーシップを締結するHashport(ハッシュポート)が4日発表したリリースによると、この構想では、ステーブルコイン、RWA(現実資産)、オンチェーン注文板(CLOB)、クロスチェーン対応、AIウォレットなどの要素を融合し、誰もがアクセスできる次世代金融インフラの構築を目指すという。リリースには、以下のように記されている。

■グローバル取引エンジンの主な構成要素

  • マルチステーブルコイン対応: USDT、USDC、USDeがすでにAptos上に展開され、時価総額10億ドル以上を達成。
  • RWA(Real World Assets)対応: 株式、不動産、国債などの現実資産をオンチェーンで取引可能に。
  • 分散型注文板(CLOB): オープンソースで高速・公平な取引インフラを提供。
  • クロスチェーンアカウント: 他チェーンのウォレット(例:SolanaのPhantom)からAptos DEXに即アクセス。
  • 性能強化: 150msのブロックタイム、11,000TPS以上の処理性能、RaptrやZaptosなどの革新的技術を導入。
  • ユーザー体験の革新: アカウント抽象化やAIウォレット、自動取引スケジューラーなどの機能により、誰でも簡単に取引が可能に。

またリリースで、アプトス・ラボ共同創業者のエブリー・チン(Avery Ching)氏は「世界の金融市場は、スピード・透明性・公平性の面で進化が求められています。Aptosはそのためのインフラをゼロから構築してきました。グローバル取引エンジンの発表は、真の意味でオープンでアクセス可能な資本市場への第一歩です」と述べている。

アプトスは2024年10月、ハッシュポートの子会社で、Palette Chain(パレットチェーン)の開発元であるHashPalette(ハッシュパレット)を買収。日本市場進出を強化している。

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アプトスは、まもなく開幕する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」においてハッシュポートが提供する「EXPO2025デジタルウォレット」の事業連携サービスの基盤となっており(当初のパレットチェーンから移行)、同ウォレットではアプトスのネイティブトークンであるAPT(アプトス)が利用できる。

|文:増田隆幸
|画像:リリースより