トランプ関税による下落で、イーサリアムに1億ドルの清算が迫る

- イーサリアムの価格が15%下落した場合、1億ドル近いポジションがリスクにさらされる。
- アジアのトレーダーは、トランプ大統領の関税政策の影響により、大きな損失を被った。
DefiLlamaが収集したオンチェーンデータの分析によると、イーサリアム(ETH)の価格が15%下落すると、約1億ドルのポジションが危険にさらされる。
アジアのトレーダーたちは、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の関税政策の波及効果が世界中で感じられた4月7日に、大きな損失を被った。
CoinDeskのデータによると、イーサリアムは7日に16%近く下落し、現在は1490ドル付近で取引されている。一方、CoinDesk20指数(CD20)は13%下落しており、市場参加者は米国市場のオープンによりさらなる痛手が出ることを懸念している。
米国市場で取引が始まってイーサリアムの価格がさらに15%下落し、1274ドルを下回った場合、1億ドル(約145億円、1ドル=145円換算)以上のレバレッジポジションが清算に直面する可能性がある。
オンチェーンの清算は、現物資産が市場で売却されるため、デリバティブ関連の清算よりも影響が大きい可能性がある。 MakerDAOの場合、清算されたポジションは安いレートで競売にかけられ、トレーダーはその後、相対的に高い価格で売却できるため、市場に供給が溢れ、売り圧力が高まる。

1418ドルで清算されることになるウォレットは、7日に何度も危機的な状況に陥ったが、ETHの保有量を減らし、借りていたダイ(DAI)の一部を返済した。
DeFiLlamaのデータによると、ETHの価格が20%下落した場合、さらに3600万ドル(約52億2000万円)がリスクにさらされることになる。
最大の単一のETHポジションは、担保として1億4700万ドル(約213億1500万円)がロックされており、行使価格は1132ドルだ。
7日のアジア市場では、レバレッジをかけたポジションの健全性に対する懸念が高まったことで、レンディング・プロトコルが最も大きな打撃を受け、CoinGeckoのデータによると、このカテゴリーのコインはこの日に17%下落した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Tariff Fallout Slaps Ether Bulls With Looming $100M Liquidation