市場はさらに20%下落の可能性も:ブラックロックのラリー・フィンクCEO
  • ブラックロック(BlackRock)のラリー・フィンク(Larry Fink )CEOは、市場がさらに20%下落する可能性を警告したが、システミックリスクがないとして、現在の低迷を長期的な買いのチャンスと見ている。
  • フィンク氏は、インフレ率が予想以上に高止まりしていることに注意を促し、リセッションの懸念があるにもかかわらず連邦準備制度理事会(FRB)が今年利下げを行う可能性は低いと述べた。
  • フィンク氏はまた、ビットコイン(BTC)の魅力が高まっていることにも懸念を示し、ビットコインがより安全な価値の保存手段と見なされれば、米ドルを弱体化させる可能性があると示唆した。

ブラックロックのラリー・フィンクCEOは、市場はさらに20%下落する可能性があるが、現在の下落はシステミックリスクをもたらさないため、長期的には買いのチャンスであると述べた。

「私は、売りのチャンスというよりは買いのチャンスだと見ているが、だからといってさらに下がる可能性がないとは言えない」と、フィンク氏は4月7日に述べた。

フィンク氏は、インフレ圧力は市場参加者の予想よりも高く、多くの人がすでに米国はリセッション入りしていると考えていると指摘した。フィンク氏は、FRBが今年利下げに踏み切るとは予想していない。

フィンク氏は先月、株主宛ての書簡を発表し、ビットコインが米ドルに与える脅威について警告した。アメリカ人がビットコインをドルよりも安全な資産だと考えれば、米ドルを弱体化させる可能性があるためだ。

ドナルド・トランプ米大統領が様々な国からの米国への輸入品に関税をかけると発表して以来、暗号資産(仮想通貨)市場を含む市場は混乱している。

ビットコインは現在、過去5日間で5%、過去1カ月で11%下落している。株価はさらに大きな打撃を受け、S&P500は13%、ナスダックは15%下落している。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ブラックロックのラリー・フィンクCEO(Domenico Fornas / Shutterstock.com)
|原文:BlackRock CEO Larry Fink Says Further 20% Market Drop Is Possible