ビットコイン上昇は失速も、人民元下落が強気の起爆剤になる可能性

- ビットコイン(BTC)は7万7500ドルまで反落し、株価も大幅高から反転、下落へ転じた。
- ホワイトハウスは、4月9日午前0時から中国に104%の関税をかけることを認めた。
- オフショア人民元は1ドル=7.4元まで下落した。
トランプ政権が中国に対する懲罰的関税をまもなく発動する計画を発表したことに伴って、株価は4月8日、序盤の大きな上昇を失って下落に転じ、暗号資産(仮想通貨)市場のリリーフラリーも立ち消えとなった。
ビットコインは一時8万ドル台まで上昇した後、7万6500ドルまで下落し、その後7万8000ドル以下で安定した。ビットコインは過去24時間では1.2%下落し、イーサリアム(ETH)は同じ期間に4%近く下落し、1500ドルを割り込んだ。 CoinDesk 20 Index(ステーブルコイン、ミームコイン、取引所コインを除く時価総額上位20の暗号資産の指数)は2.2%下落した。
暗号資産関連株も打撃を受け、ビットコインマイナーのビットディア(Bitdeer)は8.7%安と、最も大きな下落率を記録し、ストラテジー(Strategy)は5.3%安、コインベース(Coinbase)は2.3%安となっている。
例外はDeFiテクノロジーズ(DeFi Technologies)で、10.27%上昇している。これは、トロントを拠点とする同社が、ギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)に続いて、米国ナスダックに上場する日が近いとの一部株主の期待による可能性がある。

中国政府が大幅な人民元安を容認し、中国の輸出競争力を高めることで関税に対応する可能性を示唆する人たちもいる。
ビットコインの強気派はこの考えに飛びつき、人民元の切り下げが中国からの資本逃避につながることは確実であり、少なくともその資金の一部はビットコインに逃避する可能性があると指摘している。
「FRB(米連邦準備制度理事会)でなければ、PBOC(中国人民銀行)が好材料をくれるだろう」と、暗号資産取引所ビットメックス(BitMEX)の共同創業者のアーサー・ヘイズ(Arthur Hayes)氏は述べ、次のように続けた。
「これは2013年、2015年に起こったことで、2025年にも起こる可能性がある。中国を無視するのは危険だ」。
暗号資産取引自動化プラットフォーム、コインパネル(CoinPanel)のキリル・クレトフ(Kirill Kretov)氏は、「現在、長引く貿易紛争、地政学的摩擦、活発な紛争、世界的な景気減速懸念の高まりなど、不確実性が高まる局面にある」と述べた。
クレトフ氏は、暗号資産と伝統的市場の流動性が乏しく、ボラティリティを悪化させているため、不安定な市況が続く可能性が高いと指摘し、次のように続けた。
「より多くの参加者がこの環境に適応し、それを活用するまでは、強い方向性のトレンドは見られそうにない」。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Rally Stalls, but Sliding Yuan Could Be Bullish Catalyst