ドル安とスタグフレーションが迫る中、ビットコインのレジリエンスは強気の見通しを示唆:グレースケール

ビットコイン(BTC)投資家は実感していないかもしれないが、先週発表されたトランプ大統領の関税計画が伝統的市場で歴史的な損失をもたらして以来、ビットコインは比較的良い投資先となっている。4月2日の「解放の日」の発表以来、株式や他の主流資産が急落している一方で、ビットコインは比較的安定しており、その価値の 「わずか」8%を失っただけだ。
「私がこれまで見た中で最も強気なビットコインの8%の下落だと思う」と、暗号資産(仮想通貨)投資運用大手グレースケール(Grayscale)のリサーチ責任者であるザック・パンドル(Zach Pandl)氏は語る。
過去のデータから、ビットコインはナスダックの3倍のボラティリティがあると思うところだ、とパンドル氏は語る。しかし、ナスダックが4月8日の取引開始時に15%下落したのに対し(4月2日比)、ビットコインは45%安からはほど遠かった。
言い換えれば、過去のパターンに基づけばはるかに激しい暴落が予測されていたため、8%の下落はポジティブなものである。
「暗号資産投資家は、ビットコインの下落が小幅にとどまったことを非常に喜ぶべきだと思う」と、ゴールドマン・サックスの元アナリストであるパンドル氏は語り、次のように続けた。
「関税は市場にとって短期的なリスクオフイベントではあるが、より長期的にはビットコインの採用を後押しするものだということを反映している。比較的緩やかな下落がそれを反映していると思う」。
パンドル氏は、ドルが世界の基軸通貨としての地位を失う可能性がある環境下で、ビットコインに強気であり、次のように語った。
「スタグフレーションは株式や債券にとってマイナスになるだろう、そして歴史的に、スタグフレーションは希少なコモディティにとってはプラスとなってきた。スタグフレーションを懸念する投資家は、リターンをもたらす代替資産を求めている。伝統的な市場であればそれは金や銅かもしれず、そしてビットコインもそうなるかもしれない」。
パンドル氏は、ビットコインの比較的好調なパフォーマンスは、大型ハイテク株からビットコインのようなコモディティ資産への切り替えを反映していると言う。Roundhillの 「マグニフィセント7 ETF 」に対するビットコインのパフォーマンスを見ればわかる。1週間前と比較して、1ビットコインで同ETFをより多く買うことができるようになった。
不確実な状況における安全な避難先資産としてのビットコインの長期投資テーゼを支持する人々にとって、ここ数日はビットコインが勝利しているテストケースとなっている。ビットコインは理論的には、投資家がストレスのある時にドルに代わるものを求めるときに恩恵を受けるはずだと、このような支持者たちは言う。
「ドルの地位が低下することがビットコインのテーゼの一部であると信じるなら、先週、そのテーゼに対する確信が高まったはずだ」とパンドル氏は言う。
パンドル氏は、ビットコインの価格は中期的に上昇し、今年は史上最高値を更新すると予想している。
「ビットコインの価格は下がっているが、確信は高まっており、中期的な価格見通しを変える必要はない」と、パンドル氏は述べた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Resilience Suggests Bullish Outlook as Dollar Weakens, Stagflation Looms — Grayscale