ビットコインとイーサリアムの現物ETF、コインの価格上昇にもかかわらず資金流出を記録
  • ブラックロックのIBITは、BTC現物ETFからの流出を主導した。
  • アメリカのほとんどの国に対する関税が90日間保留された後、価格が上昇したにもかかわらず、流出が発生した。

アメリカで上場されているビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の現物ETF(上場投資信託)は、4月9日にドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が中国を除くほとんどの国に対する関税を90日間停止すると発表した後、暗号資産(仮想通貨)の価格が急騰したにもかかわらず、資金流出が起こった。

ファーサイド・インベスターズ(Farside Investors)のデータによると、11のビットコインETFは4月9日に1億2720万ドル(約184億4400万円、1ドル=145円換算)の純流出を記録し、中でもブラックロックのIBITは8970万ドル(約130億650万円)が引き出された。この日は5日連続の資金流出となり、この期間に7億2200万ドル(約1046億9000万円)が流出した。

イーサリアムETFも投資家の人気を失い、9つのファンドで1120万ドル(約16億2400万円)の純流出となった。

需要の減少は、米中貿易摩擦によるマクロ経済の不確実性と債券市場の変動が原因であり、マクロ投資家が暗号資産ETFを含むあらゆる資産を現金化するために売却した可能性が高い。

トランプ大統領が1週間前に発表した広範囲にわたる関税に対して報復措置を取らなかった75カ国以上の国々に対する90日間の関税停止を発表したことで、市場は急激に回復した。しかし、最近アメリカ製品に対して高額の報復関税を課した中国は、トランプ大統領が中国製品に対する課税総額を125%に引き上げたため、何の救済も得られなかった。

時価総額でトップの暗号資産であるビットコインは8%以上上昇し、8万3500ドルとなった。また、イーサリアム・ブロックチェーンのネイティブトークンであるETHは13%上昇し、1770ドルとなった。これは、アルトコイン市場のより大きな上昇と並行した動きであることをCoinDeskのデータが示している。一方、ウォール街のハイテク株指数であるナスダック100は12%以上上昇し、ここ数十年で最大の1日当たりの上昇率となった。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Investors Flee Spot Bitcoin, Ether ETFs on Tariff-Driven Uncertainty