米国株式市場は記録を更新したが、歴史的には弱気のシグナル
  • 2001年や2008年のように、この規模の上昇は景気後退時にしばしば発生し、さらなる市場の下落を招くことが多い。
  • ボラティリティと世界の債券価格への圧力は依然として高く、VIXは記録的な下落を記録し、懸念は中国から日本の債券市場へと移っている。

ナスダックは4月9日に12%の上昇で取引を終えた。これは史上2番目に大きな上昇であり、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が関税の実施を90日間停止する決定を下したことが背景にある。インベスコQQQトラストシリーズ1ETFの構成銘柄であり、最も回復の早い銘柄の一つであるストラテジー(ストラテジー)は25%の急騰を記録した。

一方、S&P500は約10%上昇し、2008年の2日間に続く史上3番目に大きな1日での上昇率となった。

しかしながら、この状況は表面上は強気に見えるものの、ナスダックの過去の最大級の上昇は2001年と2008年の景気後退期に発生しており、その後、新たな安値を記録している。同様に、S&P500の2つの大きな上昇も2008年の金融危機時に起こったものだ。投資家は弱気市場での反発に注意すべきである。

トランプが関税撤回を決定した理由については憶測が広がっている。世界的には、債券利回りの上昇が市場を揺るがしていた。フォックス・ビジネス(Fox Business)のチャールズ・ガスパリノ(Charles Gasparino)記者によると、債券市場への圧力は中国ではなく日本が債券を売却したことから生じた可能性があるという。

市場が急騰する中、CBOEボラティリティ指数(VIX)は34で取引を終え、2010年の記録を超えて史上最大の日次下落率を記録した。また、ビットコイン(BTC)も急騰し、一時8万2000ドルを超えたものの、1月以来続いている下降チャネルの範囲内に留まっている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:U.S. Stock Market Breaks Records, but History Points to Bearish Signals