ビットコインは8万ドルを割り込み、ナスダックは5%急落──米中関税戦争がエスカレート

- ビットコイン(BTC)とハイテク株は4月10日、投資家が前日の歴史的な上昇について考え直す中、急落した。
- 中国への実効関税率は125%から145%に引き上げられると深夜にホワイトハウスが明確にし、ナスダックは4%安から5.5%安へと押し下げられた。ビットコインも後に続き、7万9000ドルまで後退した。
- トレーダーがインフレから地政学的リスクに焦点を移したため、金は史上最高値まで急騰し、ドルは下落した。
4月9日に米国市場が束の間の安堵感を味わった後、10日には米中対立拡大の可能性に焦点が移り、値動きは再び厳しいものとなった。
前日に8%以上上昇したビットコインは10日、約4%安の8万ドル弱まで再び値下がりした。ビットコインの下落は、ナスダックが再び急落するのと同時に起こった。トレーダーらがドナルド・トランプ米大統領の関税政策の次のステップを見極めようとする中、ナスダックは前日の12%の上昇の後、5.5%下落した。
暗号資産関連株も打撃を受けた。ストラテジー(Strategy)は11.2%下落し、コインベース(Coinbase)は8.1%、マラ・ホールディングス(MARA Holdings)は9.3%下落した。
株はすでに大幅安となっていたが、対中関税率はトランプ氏が前日発表した125%ではなく、145%であることをホワイトハウス当局者が認めたとのツイートが流れ、株売りがエスカレートした。
大統領令によって、「相互」関税率は一夜にして84%から125%に急上昇し、既存のフェンタニル関連商品に対する20%の関税と合わせると、合計税率は145%に達する。
中国はトランプ大統領の最初の関税に対抗するため、アメリカ映画の輸入を減らすと発表し、両国間の貿易戦争が激化している。
一方、金は3%高騰し、史上最高値を更新して、3168ドルに達している。米ドルを外国通貨バスケットに対して測定するDXYインデックスは101を割り込み、11月の上昇分を事実上帳消しにし、現在1月の高水準から9%減少している。
政治的に緊迫した環境
「マクロの見通しは安全とはほど遠い」と、暗号資産取引自動化プラットフォーム、コインパネル(CoinPanel)のシニアエキスパート、キリル・クレトフ(Kirill Kretov)氏は語り、次のように続けた。
「政治的に緊迫した環境であり、ニュースの見出しがほとんど瞬時にセンチメントを変化させる力を持っている」。
「現在、重要な変動要因は貿易政策だ」とクレトフ氏は付け加え、トランプ政権の刻々と変化する関税政策がインフレ懸念を高めていると指摘した。
「この問題がエスカレートすれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の意思決定が複雑になり、現在の市場のナラティブが狂う可能性がある」と、クレトフ氏は付け加えた。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:ビットコイン価格の推移(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Tumbles Below $80K Alongside 5% Plunge in Nasdaq as China Tariff Tiff Escalates