関税と貿易摩擦、中期的にはビットコイン普及にプラスとなる可能性:グレイスケール
By
Will Canny

- 貿易摩擦はビットコインの普及にプラスに働く可能性があると、グレイスケールは述べた。
- 関税はスタグフレーションにつながる可能性があり、これは金やビットコインなどの希少資産に有利に働く。
- 世界唯一の準備通貨としての米ドルの役割が疑問視され、新たな準備資産の余地が生じる可能性があると同社は述べた。
資産運用会社のグレイスケール(Grayscale)は9日のリサーチレポートで、関税と貿易摩擦は中期的には、ビットコイン(BTC)の普及に最終的にプラスに働く可能性があると述べた。
関税の引き上げはスタグフレーション(経済成長の停滞とインフレが同時に起きている状態)をもたらし、伝統的な資産にとってはマイナスだが、金などの希少な商品にとってはプラスになるとレポートで述べた。
ビットコインはハードマネーとみなされており、デジタルゴールドに例えられ、現代の価値の保存手段として認識されているとレポートは指摘。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が、米国への報復措置を取っていない国々に対する関税を90日間停止すると発表したことを受け、暗号資産(仮想通貨)は9日に急騰した。
「貿易摩擦により、米ドルの準備通貨としての需要が圧力され、他の法定通貨や金、ビットコインなどの競合資産の余地が生まれる可能性がある」とグレイスケールは述べた。
過去の事例から、ドル安と平均を上回るインフレ率が継続する可能性があることが示唆されており、ビットコインはそうしたマクロ的な背景から恩恵を受ける可能性が高いとグレイスケールは述べた。
「米国政府の政策変更に支えられた、市場構造の急速な改善」はビットコインの投資家基盤の拡大を後押しする可能性があると、レポートは付け加えた。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Anna Dr/Shutterstock
|原文:Tariffs, Trade Tensions May Be Positive for Bitcoin Adoption in Medium Term: Grayscale