テザーのトークン化ゴールド「XAUT」、暗号資産のトップ10に
  • トークン化されたゴールド(金)はアジアの暗号資産投資家の間で依然として人気があり、テザーのXAUTは市場で好調なパフォーマンスを見せている。
  • 貿易摩擦の緩和にもかかわらず、投資家は予測不可能なアメリカの政策と拡大する財政赤字への懸念からゴールドに注目している。

テザー(Tether)のXAUTやパクソス(Paxos)のPAXGといったトークン化されたゴールド(金)は、貿易戦争の緊張緩和にもかかわらず、投資家が安全な避難先を求めているため、特にアジアの暗号資産(仮想通貨)投資家の間で引き続き人気を博している。

オンチェーンデータによると、テザーのXAUTは、すべての暗号資産の市場パフォーマンスのトップ10に入っている。テザーのトークン化されたゴールドは時価総額が最大で、価格は過去24時間で3.4%上昇している。

CoinGeckoのデータによると、このセクターは過去24時間で4.3%上昇しているが、広範な暗号資産のパフォーマンス指標であるCoinDesk 20 指数(CD20)は2%下落している。

ゴールドの価格は、アメリカ市場の取引終了時に史上最高値を更新した後、アジア市場の取引開始直後は一時的に下落した。現在、香港では3218ドルで取引されている

アジアの株式市場は、香港ハンセン指数が0.2%減、上海総合指数が0.12%増、台北の加権指数が1.6%増、東京の日経225が3.5%減と、午前の取引ではまちまちの動きを見せた。

通常、経済や地政学上の不確実性が高まると、投資家が価値の貯蔵庫と見なされる資産に安全性を求めるため、ゴールドは上昇する。貿易摩擦は沈静化したが、投資家はホワイトハウスの政策の予測不可能性を懸念している。

また、金利との逆相関関係も金の追い風となっている。金利が低下すると、利回りのない金を保有することの機会費用が減り、より魅力的になる。

投資家は、アメリカの財政赤字の急増も懸念している。

中国の国営メディアも、同国で景気刺激策が検討されていると報じており、金利引き下げと1360億ドル(約20兆円)規模の政府支出が提案されている。

その他の市場をリードする存在には、アメリカが分散型金融(DeFi)に関する規則と執行を大幅に緩和する計画であるというニュースを受けて、初日で18%上昇したカーブ(Curve)DAOのCRVがある。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Gold Rally Makes Tether’s XAUT Top-Performing Digital Asset as Crypto Markets Remain Flat