米消費者心理はトランプ関税発動後に悪化も、暗号資産は持ちこたえる
  • 米中貿易摩擦とインフレ懸念が伝統的市場を混乱させている。
  • 4月11日発表のミシガン大学の調査によると、米国の消費者心理は大きく落ち込み、インフレ見込みは1981年以来の高水準に達している。
  • 投資家は米国債とドルを売り、金と暗号資産(仮想通貨)は上昇している。ビットコイン(BTC)は4%高の8万2000ドル、主要アルトコインのソラナ(SOL)とアバランチ(AVAX)もさらに値上がりした。

米中貿易摩擦が世界市場を動揺させ続け、伝統的な米国資産は大混乱に陥っている中、米国経済に対するセンチメントが悪化し、インフレ懸念が高まっていることを示す新たなデータが発表された。

4月11日に発表された最新のミシガン大学の調査によると、消費者心理は57.0から50.8に低下した。これは過去3年間で最も落ち込んだ水準に近く、2020年の新型コロナウイルスによるロックダウン時の水準をはるかに下回っている。1年先のインフレ見込みは6.7%と前月の5%から急上昇し、1981年以来の高水準となった。

このようなデータの発表と相まって、投資家らは長期国債とドルの売却を再開した。これらは伝統的に、セーフヘイブン(安全な避難先)と考えられてきた資産である。

10年物国債利回りは米国時間の午前に4.55%を超え、わずか1週間で50ベーシスポイント以上上昇した。一方、ドルインデックス(DXY)は100を割り込み、3年ぶりの低水準となった。一方、金は1オンスあたり3240ドルと、史上最高値を更新した。

ここ数セッション、乱高下が続いていた米国株は11日、はるかに狭いレンジで取引された。当記事執筆時点では、ナスダックは0.6%高となっている。

一方、暗号資産市場は上昇に転じ、ビットコインは8万2000ドルをわずかに上回り、過去24時間で4%上昇した。広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは3%上昇し、主要アルトコインのソラナとアバランチが6%の上昇でリードした。

シグナルかノイズか?

マクロ経済アナリストの中には、最近の国債利回りの急上昇が米国経済の見通しを脅かしていると懸念する者もいるが、投資家が短期的な市場の変動を深読みし過ぎていると考える者もいる。

「市場で最も流動性の高いセーフヘイブンである米ドルと米国債の2つがおかしくなっている」と、アナリストでニュースレター「Crypto is Macro Now」の著者であるノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏は11日に述べ、次のように続けた。

「しかし、これは他のセーフヘイブンには当てはまらない。アメリカに直接つながったものだけである」。

「これらの資産クラスにおける最近の急激な動きは、ファンダメンタルズによるものよりも、高いレバレッジをかけた市場参加者がポジションの清算を追られたことによるものである可能性の方がはるかに高いと私は考えている」と、ビリオネア投資家ビル・アックマン(Bill Ackmann)氏はXに投稿し、次のように続けた。

「テクニカルな要因が市場の劇的な動きを後押ししている。その結果、市場は政策変更の影響を示す短期的な指標として、ますます信頼できなくなっている」。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:U.S. Consumer Sentiment Craters in First Post-Tariff Read, but Crypto Is Holding Up