ブラックロックのビットコインおよびイーサリアムETF、四半期で流入83%減、30億ドルに

- ブラックロック(BlackRock)の暗号資産(仮想通貨)ETF(上場投資信託)は、2025年の最初の3ヶ月間で30億ドル(約4290億円、1ドル=143円換算)の純流入を記録したが、これは特に旺盛だった昨年の第4四半期から83%の減少となっている。
- デジタル資産ファンドは、iSharesの総流入額の2.8%を占め、手数料収入はブラックロックの長期収益の内1%未満となった。
2025年第1四半期の暗号資産市場の価格動向が不振だったことを考慮すれば、ブラックロックの現物ビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)ETFへの純流入が大幅に減少したのは驚くべきことではない。
同社の第1四半期の決算報告書によると、2025年の最初の3ヶ月間に投資家はブラックロックのデジタル資産関連ETFに30億ドルを投じた。これは、トランプ大統領が選挙に勝利したことに伴い価格や市場のセンチメントが上昇した昨年の第4四半期に見られた大きな流入額から83%減少したものとなった。
第1四半期の単独で見た場合も、数字上では、価格が低迷しながらも暗号資産関連のファンドに対する強い需要が示されている。
この30億ドルは、ブラックロックのiShares ETF全体の流入額のうち2.8%を占める数字だ。iSharesにはアクティブファンド、コア株式ファンド、戦略ファンドなど、その他のカテゴリーも含まれている。第1四半期末で、同社は約503億ドル(約7.2兆円)のデジタル資産を運用しており、これは同社の10兆ドル(約1430兆円)超に上る総資産に占める割合としては約0.5%に相当する。
デジタル資産ETFは手数料として3400万ドル(約48.6億円)を計上したが、これは同社の長期的な収益の1%未満に当たる。
ビットコインおよびイーサリアムETFへの流入が減少したのは、iShares全体の流入額が前四半期に比べて70%減少し、840億ドル(約12兆円)から281億ドル(約4兆円)に落ち込んだのと軌を一にしている。これは、トランプ大統領体制の下で変化するマクロ経済環境に世界市場が適応しようとする中で発生した落ち込みと言える。
|翻訳・編集:T.Minamoto
|画像:Shutterstock
|原文:BlackRock Bitcoin and Ether ETF Inflows Declined 83% in Q1 to $3B