ビットコインが8万4500ドル超え、下降トレンド終了目指す──トランプ大統領が主要テクノロジーを相互関税から除外
  • ビットコインは1.5%以上上昇して8万4900ドルに達した。アメリカが新たな関税免除を発表したことを受けて3カ月におよぶ下降トレンドをブレイクしようとしている。
  • 米税関・国境取締局はトランプ大統領の関税から主要テクノロジーを除外し、貿易戦争における潜在的な譲歩を示した。
  • イーサリアム、XRP、カルダノなどの主要暗号資産は大幅な上昇を見せ、市場におけるリスクテイクの増加を示している。

ビットコイン(BTC)は12日に1.5%以上上昇して8万4900ドル(約1231万円、1ドル145円換算)となり、3カ月におよぶ下降トレンドをブレイクしようとしている。トランプ政権が相互関税に関する新たな指針を発表し、スマートフォンやコンピュータ、チップといった電子機器などに対するいくつかの適用除外を示したことを受けた動きだ。

これらの除外品目は、米税関・国境取締局(U.S. Customs and Border Protection)が公表したもので、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の125%の対中関税と世界共通の10%関税から除外される製品が列挙されている。

コベイシ・レター(The Kobeissi Letter)はX(旧Twitter)で、「アメリカは年間600億ドル(約8兆7000億円)以上のスマートフォンを輸入している。こうした免除措置は最も重要な輸入品の一部が対象になっており、これもまた貿易戦争においてアメリカが譲歩していることを示す兆候になっている。結局のところ、債券市場がトランプ氏に譲歩を強いているのだ」と指摘した。

アメリカと中国は今週、互いに100%を超える輸入関税を課すことで貿易緊張を高めた。それでも、金融市場の一部はアメリカのディスインフレーションを織り込んでおり、一般的なインフレ懸念に反して、米連邦準備制度理事会(FRB)がまもなく金利引き下げの余地を持つ可能性を示唆している。

[ビットコインの日足チャート(TradingView/CoinDesk)]

このチャートは、ビットコインが10万9000ドルを超える史上最高値からの急激な売りを表す下降トレンドラインを上回る水準で足場を確立しようとしていることを示している。トレンドラインのブレイクアウトによって、チャート重視の買い手がさらに市場に参加する可能性がある。

一方、イーサリアム(ETH)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)などの主要アルトコインは12日に6%上昇し、暗号資産(仮想通貨)市場全体でリスクテイクの姿勢が強まっていることを示している。上位2位のステーブルコイン、テザー(USDT)とUSDコイン(USDC)の時価総額合計は過去最高に近い2000億ドル(約29兆円)を超える水準を維持した。

週末の取引が始まった暗号資産市場におけるこの強気の勢いは、14日のウォール街で価格上昇の可能性があることを示唆している。

|翻訳・編集:林理南
|画像:ArtTower/Pixabay
|原文:Bitcoin Tops $84.5K, Looks to End Downtrend as Trump Exempts Key Tech From Reciprocal Tariffs