PAXG、XAUTが暗号資産市場全体をアウトパフォーム──金ETFへの資金流入は3年ぶりの高水準
  • PAXGとXAUTは年初来で23%以上上昇し、金の上昇に歩調を合わせ、暗号資産市場全体をアウトパフォームしている。
  • トークン化された金は、ブロックチェーンベースの流動性によって、暗号資産投資家に現実資産へのエクスポージャーを提供する。
  • 第1四半期には金ETFの需要が3年ぶりの高水準に達し、安全資産への逃避が広がっていることを示唆。

伝統的な金市場が活況を呈するなか、暗号資産(仮想通貨)投資家も追随し、価格エクスポージャーとデジタルの柔軟性を両立する貴金属のトークン化バージョンに殺到している。

パックスゴールド(PAXG)とテザーゴールド(XAUT)などの金を裏付けとする暗号資産は、それぞれ年初来で24.15%、23.7%上昇し、3300ドルを超える史上最高値を更新しており、現物の金のパフォーマンスとほぼ一致している。その後、価格はそれぞれ3265ドル、3244ドルまでわずかに下落した。

金に裏付けられた暗号資産は今年これまでに急騰しているが、暗号資産市場全体は下落傾向にある。ビットコイン(BTC)は今年に入って11%以上価値を失っており、CoinDesk 20 Index(CD20)によると、暗号資産市場全体は30%強下落している。

現物の金に裏付けられ、その価格を追跡するトークンは、米中貿易戦争の激化によって引き起こされた不確実性から投資家が避難先を求めたことで、価格が急騰した。

この動きは、安全資産としての金への幅広い回帰を反映している。ワールド・ゴールド・カウンシル(World Gold Council)のデータによると、金ETFへの資金流入量は2025年第1四半期に226.5トンに達し、2022年初頭以来の高水準となった。この需要の約60%は北米からのものだ。

RWA.xyzのデータによると、同様に、金に裏付けられた暗号資産のトークン純発行額は今年第1四半期に4270万ドル(約61億円、1ドル143円換算)を超えた。金価格の上昇と相まって、これらの暗号資産の時価総額は14億ドル(約2000億円)近くにまで上昇した。

|翻訳・編集:廣瀬優香
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|原文:Gold ETF Inflows Hit Three-Year High as PAXG, XAUT Outperform Wider Crypto Market