レイ・ダリオ氏、グローバルなシステミック・リスクを警告──ビットコインは依然として堅調

- レイ・ダリオ氏は、アメリカの財政赤字と貿易政策について緊急の対策を促し、現在の金融および地政学上の秩序が崩壊する可能性について警告している。
- ダリオ氏は、現在のリスクを、1971年の金本位制の廃止や2008年の金融危機のような歴史的なシステム・ショックと比較している。
レイ・ダリオ(Ray Dalio)氏は、4月13日にCNBCのインタビューで、単なる景気後退の可能性についてだけでなく、より深刻な世界経済と政治秩序のシステムの崩壊について警鐘を鳴らしている。同氏の懸念は市場の変動性だけにとどまらず、より広範な構造的な脆弱性を指摘している。
興味深いことに、ビットコイン(BTC)は混乱の中にあっても回復力を示している。この暗号資産(仮想通貨)は3カ月間の下落トレンドを破り、8万5000ドルに近づいており、潜在的な代替的な安全資産としての役割を担う可能性を示唆している。
関税に関するホワイトハウスからのシグナルは依然としてさまざまで、世界市場に重くのしかかる不確実性の高まりに拍車をかけている。その結果、市場は特にここ2週間、トランプ大統領の関税政策が定着するにつれ、極めて不安定な状態が続いている。
大手投資会社ブリッジウォーター(Bridgewater)の創業者であるダリオ氏は、特に高まるアメリカの債務と赤字に注目している。CNBCによると、同氏は連邦議会は連邦赤字をGDPの3%にまで削減すべきだと主張し、債務供給と投資家需要の不均衡が深刻な混乱を引き起こす可能性があると警告している。
これはすでに債券市場で現実のものとなっており、米国債の利回りは上昇している。10年債は4.5%をわずかに下回る水準、30年債は5%をわずかに下回る水準で推移している。こうした利回りの上昇は市場を不安定化させており、市場を安定させるためにアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が介入せざるを得なくなる可能性もある。
ダリオ氏はまた、関税の不確実性がより広範なマクロの不安定さに拍車をかけていると警告している。米ドルの強さを測るドル指数(DXV)は、ここ数年で初めて100を割り込んだ。これはアメリカからの資本逃避の兆候である可能性がある。ダリオ氏は、ますますもろくなっているように見えるシステムを安定させることを目指し、中国との包括的な貿易協定と人民元高につながる通貨調整を求めている。
ダリオ氏は、現在のリスクを、1971年のアメリカの金本位制からの離脱と2008年の世界金融危機に見られたリスクと比較して分析している。どちらも金融システムを再構築する転換点となった出来事だ。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ブリッジウォーターの創業者、レイ・ダリオ氏(CoinDesk archives)」
|原文:Ray Dalio Sounds the Alarm on Global Systemic Risk, But Bitcoin Remains Resilient