クラーケン、米国株とETFの取引サービス提供開始

- クラーケン(Kraken)は新たに、一部のユーザーが1つのアカウントから暗号資産(仮想通貨)と並んで米国の株式とETF(上場投資信託)を手数料無料で取引できるサービスを提供している。
- このサービスは米国の10の州で開始され、今後米国全土、そしてヨーロッパ、イギリス、オーストラリアへと拡大する予定だ。
- この動きにより、クラーケンはロビンフッド(Robinhood)と直接競合することになる。さらに、資産のトークン化推進の動きをさらに前に進めることにもなる。
暗号資産取引所のクラーケンは、米国上場株式とETFの手数料無料取引サービスの提供を開始した。顧客は暗号資産と同じプラットフォームから伝統的金融市場にアクセスできるようになり、クラーケンはロビンフッドのようなプラットフォームとより直接的に競合することになった。
この動きで事業を拡大するクラーケンは、コインベース(Coinbase)、マラ・ホールディングス(MARA Holdings)、ビットディア(Bitdeer)など、米国の取引所での株式公開を目指す多くの米国暗号資産企業の1社である。
クラーケンによる株式取引サービスは、ニュージャージー州、コネチカット州、アラバマ州を含む米国の10の州で開始され、全米および英国、ヨーロッパ、オーストラリアなどへと拡大する計画だ。
これらの州の顧客は、モバイルアプリ、Kraken Pro、またはウェブインターフェースを使用して、クラーケンアカウントから直接株式を売買できる。
「暗号資産は単に進化しているだけでなく、株式、コモディティ、通貨といった資産クラスを越えた取引を支える存在になりつつある」と、クラーケンの共同CEOであるアルジュン・セティ(Arjun Sethi)氏は声明の中で述べ、次のように続けた。
「24時間365日のグローバルアクセスの需要が高まるにつれ、顧客はシームレスでオールインワンの取引体験を望んでいる。株式への進出は弊社にとって自然なステップであり、資産のトークン化への道を開くものである」。
この動きによりクラーケンは、単一のアカウントでデジタル資産と伝統的資産の取引サービスを提供する数少ない暗号資産ネイティブ企業の一社となる。
この新商品は、FINRA(米金融取引業規制機構)の規制を受けた株式に特化した事業体であるクラーケン・セキュリティーズ(Kraken Securities)を通じて提供される。
暗号資産と伝統的金融のツールを統合することで、クラーケンはロビンフッドやパブリック(Public)のような、すでにマルチアセット投資家に対応しているプラットフォームとより直接的に競合できるようになる。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Piotr Swat / Shutterstock.com
|原文:Kraken Now Offers U.S. Stock, ETF Trading as it Preps for Possible IPO