ビットコイン、8万5000ドル付近で推移──FRBのウォラー理事、関税再開の場合の利下げを示唆
  • ビットコイン(BTC)は、市場センチメントの改善と貿易交渉が投資家の懸念を和らげ、8万5000ドル付近まで上昇した。 CoinDesk 20 Indexは、ソラナ(SOL)とアバランチ(AVAX)の上昇に牽引され、1.2%上昇した。
  • クリストファー・ウォラー(Christopher Waller)連邦準備制度理事会(FRB)理事は、トランプ関税が復活した場合の利下げの可能性を示唆した一方、EUは米国製品への報復関税発動を延期した。
  • スイスブロック・テクノロジーズ(Swissblock Technologies)のアナリストは、ビットコインの持続的成長の可能性のサインとして、ネットワークのファンダメンタルズが強まっていることと流動性の安定を指摘した。

ビットコインは4月14日、貿易関連のニュースを好感し市場全体が好意的に反応する中、緩やかに上昇した。

ビットコインは過去24時間で1.6%上昇し、現在8万5000ドル目前で取引されている。一方、イーサリアム(ETH)は同期間に2.7%上昇し、1630ドルとなった。

広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Index(ステーブルコイン、ミームコイン、取引所コインを除く時価総額上位20の暗号資産で構成)は、 ソラナとアバランチの上昇に牽引され、1.2%上昇した。

数週間の乱高下の後、株式市場も14日には上昇し、ナスダックは0.6%、S&P500は0.8%上昇した。暗号資産関連銘柄では、ストラテジー(Strategy)とマラ・ホールディングス(MARA Holdings)が約3%の上昇でリードした。

FRBのウォラー理事が、トランプ大統領による懲罰的関税が再開されれば、「悪材料」による大幅な利下げが必要になると示唆した中での、小幅な上昇となった。

「(関税が)生産と雇用に及ぼす影響は長期化する可能性があり、金融政策の適切なスタンスを決定する上で重要な要因となる」と、ウォラー氏は述べ、次のように続けた。

「もし景気減速が著しく、景気後退の恐れさえあるのなら、FOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利の引き下げは、私が以前考えていたよりも早く、そして大幅に行われることになるだろう」。

EUの執行機関である欧州委員会は、「交渉の余地を与える」ために、210億ユーロ(約3兆4000億円、1ユーロ=162円換算)相当の米国製品に対する報復関税を7月14日まで保留することを認め、さらに懸念を和らげた。

ブロックチェーンベースの予測市場ポリマーケット(Polymarket)では、米国とEUが関税を回避するための貿易合意に達する確率が、トランプ米大統領が取引が進行中であると述べたと報じられた後、65%まで上昇した。

ビットコインのファンダメンタルズ、回復

先週の関税騒動からのビットコインのリリーフラリーは、8万5000ドルの抵抗レベル付近で失速したが、ネットワークのファンダメンタルズの改善はブレイクアウトへの期待に拍車をかけている、と暗号資産分析会社のスイスブロック・テクノロジーズのアナリストは指摘し、次のように述べた。

「3月以来、新規参加者が一貫して流入している。流動性は安定しており、2025年初頭からの不規則な変動はもうない」

Swissblock Technologies

「流動性の指標が50のラインを上回ると、短期的な値動きは力強さを伴ってそれに続く傾向がある。ネットワークの成長も見られ、重要な水準に再び達するだけでなく、その回数が蓄積されている。これは、持続的な上昇を支える構造的なサポートである」とスイスブロックのアナリストは結論付けた。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:4月14日のビットコインの値動き(CoinDesk)
|原文:Bitcoin Hovers at $85K as Fed’s Waller Suggests ‘Bad News’ Rate Cuts if Tariffs Resume