ゼロハッシュ、20億ドルのトークン化ファンド資金フローを処理──現実資産への需要が加速

- オンチェーン資産への機関投資家の需要が高まる中、ゼロハッシュは4カ月間で20億ドル相当のトークン化ファンドの資金フローを処理した。
- 同社のプラットフォームでは、ブラックロック、フランクリン・テンプルトン、リパブリックのトークン化現実資産(RWA)ファンド向けのステーブルコイン取引が可能になっている。
- トークン化RWA市場は2025年第1四半期に206億ドルに成長しており、ゼロハッシュは新規流入の35%を処理したと主張している。
現実資産(RWA)への需要が加速する中、ステーブルコイン決済を専門とする暗号資産(仮想通貨)インフラ企業のゼロハッシュ(Zero Hash)は、過去4カ月間で20億ドル(約2900億円、1ドル145円換算)超のトークン化ファンドの資金フローを処理したと発表した。
トークン化現実資産は、暗号資産セクターの中でも注目を集めており、複数の世界的な伝統金融機関がブロックチェーンを活用して証券やファンド、コモディティ(商品)などの所有権の記録や資産移転を行っている。これにより、業務効率化や即時に近い決済が実現する。これは大きな機会になると予測されている。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)とリップル(Ripple)は、この市場が2033年までに18兆ドル(約2610兆円)規模に成長すると予測している。
ゼロハッシュのステーブルコインインフラは、トークン化資産の基盤として機能しており、ブラックロック(BlackRock)やフランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)、リパブリック(Republic)などの伝統的資産運用会社が提供するトークン化ファンドをサポートしている。これにより、22のブロックチェーン上で24時間ステーブルコインの取引が可能となっている。対象には、ブラックロックの米ドル機関デジタル流動性ファンド(BUIDL)、フランクリン・テンプルトンのBENJI、ハミルトン・レーン・プライベート・インフラストラクチャー・ファンドなどが含まれる。
ゼロハッシュは7種類のステーブルコインに対応しており、パートナー企業の規制遵守要件も担っている。これにより、国債やプライベートクレジットなど伝統的金融商品のトークン化を進める資産運用会社にとって基盤的存在となっている。
rwa.xyzのデータによれば、パブリックブロックチェーン上のトークン化現実資産(RWA)の総額は206億ドル(約2兆9870億円)に達し、2024年末の152億ドルから増加した。ゼロハッシュは、その純流入額の約35%を自社が処理したと主張している。
ゼロハッシュ創設者兼CEOのエドワード・ウッドフォード(Edward Woodford)氏は声明で、「トークン化金融はもはや理論上の話ではない」とし、「機関投資家は実際の資本をトークン化に投じており、それに見合う決済インフラが必要だ」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:エドワード・ウッドフォードCEO(CoinDesk)
|原文:Zero Hash Processed $2B in Flows to Tokenized Funds as RWA Demand Accelerates