米中貿易摩擦の深刻化でゴールドが急騰、ナスダック先物は急落
  • 米中貿易摩擦の深刻化を背景に、投資家が安全資産に逃避したため、ゴールド(金)は2%以上急騰し、1オンス3300ドルを突破した。
  • チップメーカーのエヌビディアが55億ドルの収益減を警告したことでハイテク株が下落し、ナスダック先物は2%以上下落した。

米中貿易摩擦の激化により、グローバル市場は再び圧力を受けている。投資家は安全資産に逃避し、ハイテク株は大幅安となっている。

4月16日のゴールド(金)相場は2%以上上昇し、1オンス3300ドルを突破し、過去最高値を更新した。米ドルはさらに下落し、ナスダック先物はウォール街にとって厳しい一日になることを示唆した。

15日、ホワイトハウスは、中国による報復措置と、高速コンピューターチップの製造に使用されるレアアースであるガリウム、ゲルマニウムなどの主要戦略物質の輸出禁止措置を受けて、中国からの輸入品に最大245%の関税を課すことを発表した。この措置は、アメリカの外国産の重要鉱物への依存に関連する国家安全保障リスクの調査を開始する大統領令に続くものだ。

市場は素早く反応した。ドル指数(DXY)は100を割り込み、米ドルに対する投資家の信頼が低下していることを示した。一方、ユーロは1.13ドル、円は1ドル142円まで上昇した。

アメリカの株式市場も低迷した。ナスダック先物は2%以上下落し、特にハイテク株が大きく下げた。エヌビディア(Nvidia)の株価は、同社が中国へのAIチップの新たな輸出規制により55億ドル(約7700億円、1ドル=140円換算)の減収になることを明らかにした後、市場前取引で7%下落した。この発表により、中国需要に大きく依存する半導体業界全体に収益への打撃が拡大するのではないかとの懸念が高まっている。

ビットコイン(BTC)は、このニュースを受けて、一時8万3000ドルまでやや下落した。これは、ゴールドのような安全資産としての役割よりも、アメリカのハイテク株との相関関係が強いことを反映した動きだ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Gold Soars, Tech Futures Tumble as U.S. Hits China With Higher Tariffs