カルビー、IP管理にブロックチェーン活用──「かるれっと」実証実験開始
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栃山直樹

カルビー株式会社は4月17日、ブロックチェーン技術を活用した知的財産(IP)管理プラットフォーム「かるれっと」の実証実験を開始した。同プラットフォームは、二次創作における外部クリエイターの与信管理やライセンス業務を簡素化し、IP事業の拡大を目指すもの。
同社の新規事業部門「Calbee Future Labo」によると、2023年からカルビー商品のIPを活用したグッズやNFTなどを展開し、ライセンス商品は1年間で約80%増加したという。
第一弾の実証実験では、「じゃがりこドリーム2nd」グッズデザインコンテストの入賞者8名と契約を結び、入賞作品デザインを使用した商品企画を提案する。

「かるれっと」は分散型ID(DID)とブロックチェーン技術を基盤とし、知的財産権の発行・所有・移転・利用履歴を検証可能なデジタル証明書(VC)として記録・共有する。JPKI(公的個人証明)を用いた認証情報をDIDと連携させることで、信頼性の高い権利証明と管理を可能にしている。
CoinDesk JAPANがカルビーに問い合わせたところ、実証実験には分散型IDに特化したブロックチェーンフレームワーク「Hyperledger Indy」を採用。「今後、一緒に取り組んでくれる企業様を考えてコンソーシアム型を採用している」との回答だった。
「かるれっと」の分散型IDおよびデジタル証明書は、シンガポールのテクノロジー企業DataGatewayが提供する「Woollet」との連携で実現している。

今後、カルビーは同プラットフォームを通じて「食べ音」を使った音楽レーベルの立ち上げやクリエイターコンテストなども計画している。
|文:栃山直樹
|画像:リリースから