ビットコインが8万7000ドルを突破──トランプ氏がFRB議長解任検討の報道でドル急落
  • ビットコインは2%以上急騰し、8万7000ドルを超えた。これはドル指数が3年ぶりの低水準を記録したためだ。
  • ゴールド(金)価格は上昇を続け、FRBの独立性への懸念から、過去最高値を更新した。
  • トランプ大統領がFRBのパウエル議長の解任を検討しているとの報道を受け、トレーダーは主要通貨に対してドルを売り浴びせた。

ビットコイン(BTC)は、4月21日月曜日の朝、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領がアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長の解任を検討しているとの報道を受けて、ドル指数(DXY)が3年ぶりの安値に急落する中、他の変動の激しいアルトコインを圧倒した。

BTCは2%以上上昇し8万7000ドルを超え、CoinDeskのデータによると4月2日以来の最高値を記録した。この動きは、8万3000ドルから8万7000ドルのレンジでの最近の調整局面を強気な形で解決したものと見られる。決済に特化したエックス・アール・ピー(XRP)、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)など主要な暗号資産(仮想通貨)はそれぞれ1%以上上昇しましたが、BTCに後れを取った。

[BTCが8万7000ドルを超えた。:TradingView/CoinDesk]

為替市場では、ヘッジファンドがユーロ、円、オーストラリアドルなど主要通貨に対して米ドルを売却し、TradingViewのデータによると、ドル指数は2022年4月以来の最低水準である98.5まで下落した。DXYは3カ月間で10%下落している。ドルの弱さは通常、金融情勢を緩和し、金融市場でのリスクテイクを後押しする。

一方、ゴールド(金)は上昇が続いており、1オンス当たりの価格は記録的な高値である$3380を超え、年初来の上昇率は28%に達した。S&P 500とナスダックに連動する先物価格は0.5%下落した。

観測筋は、アメリカ国家経済会議(NEC)のケビン・ハセット(Kevin Hassett)委員長が18日金曜日にトランプ大統領のパウエルFRB議長の交代に関する発言が、ドル売りやビットコインとゴールドの値上がりにつながったと指摘している。

「ビットコインの87000ドル超えの動きは、トランプ大統領のパウエルFRB議長交代に関する発言により引き起こされた米ドルの急落とゴールド価格の2%上昇が要因だ。日本との貿易合意がまもなく発表される可能性はあるものの、本日の主要な材料はFRBの独立性が脅かされているという認識だ」と10Xリサーチ(10X Research)の創設者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏はCoinDeskに述べた。

トランプ大統領は17日、トゥルース・ソーシャル(Truth Social)に「パウエル氏の解任は早ければ早いほど良い」と投稿し、翌日に再び、金利引き下げを求めた。先週初めにパウエル氏は、経済データを確認するまで借り入れコストの変更を待つ考えを示し、スタグフレーションのリスクも警告した。

シカゴ連邦準備銀行のオースタン・グールズビー(Austan Goolsbee)総裁は、トランプ氏がパウエル議長を解任する動きはFRBの信頼性を損なうことになると警告した

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView/CoinDesk
|原文:Bitcoin Pushes Past $87K, Dollar Crashes as Trump Looks to Terminate Fed’s Powell