株価低迷の中、BTCは8万7000ドル付近を維持──BTCセンチメント成熟の「強い兆候」

- ビットコイン(BTC)は8万6800ドルまで急騰し、伝統的市場が下落する中、過去24時間で2.3%の上昇を記録した。
- CoinDesk 20 Indexは1.17%上昇したが、主要暗号資産(仮想通貨)関連株とマイナー株はわずかに下落した。
- アナリストらは、ビットコインのレジリエンスは、株式市場やドル安の中、セーフヘイブン(安全な避難先)資産としての認識への転換を示している可能性があると指摘している。
ビットコインはイースターマンデーの4月21日、株式市場が2週間前に記録した関税の影響による安値まで下がり続けている中で、耐え凌いでいる。
ビットコインは過去24時間で2.3%上昇し、トランプ政権が新関税政策を発表した翌日の4月3日以来となる8万6800ドル台で取引されている。
広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは主にビットコインに支えられ、同期間に1.17%上昇したが、ほとんどのトークンは横ばいだった。
暗号資産関連銘柄も安定しており、コインベース(Coinbase)とストラテジー(Strategy)はそれぞれ1.2%と1.3%下落し、マラ・ホールディングス(MARA Holdings)、ライオット・プラットフォームズ(Riot Platforms)、コア・サイエンティフィック(Core Scientific)といった主要ビットコインマイナーは2%から3%安となっている。
S&P500、ナスダック、ダウ工業株平均がそれぞれ3.35%、3.5%、3.27%下落し、2週間前の関税発表を受けた安値まで戻っていることを考えると、暗号資産市場のレジリエンスは注目に値する。
一方、金は2.9%上昇し、現在3400ドルで取引されている。DXY(他の通貨バスケットに対するドルの強さを測る指数)は過去3年間で最低の水準に達した。
「今日ビットコインと金が並んで上昇したのは、単なる祝日によるノイズなのか、それともセーフヘイブン資産としてのビットコインの有意義なシフトなのか。後者だとすれば、伝統的金融がビットコインをどのように見ているかが重大に変化したことを意味するだろう」と、暗号資産取引会社QCPキャピタル(QCP Capital)のアナリストは指摘し、次のように続けている。
「欧州はまだ休暇中であるため、市場の確認にはもう少し時間がかかるかもしれない。ビットコイン、金、株式の相関関係は注意深く見守る必要がある」。
一方、フランスの投資銀行ソシエテ・ジェネラル(Société Générale)の元米国マクロ戦略責任者ローレンス・マクドナルド(Lawrence McDonald)氏は、ビットコインを優先して金を売る時かもしれないと述べた。
「ビットコインは、VIXが30に近い中、これほど持ちこたえたことはない」とマクドナルド氏はXに投稿し、ビットコインのレジリエンスをゲームチェンジャーと呼び、次のように続けた。
「これは、ビットコイン市場の成熟(良いニュース)と、忍び寄る巨大な米ドルのストレスの強い兆候である」。

株安とドル安は、ビットコインや金の強さと照らし合わせると、トランプ大統領がパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の解任を検討しているのではないかという投資家の懸念によるものかもしれない。
トランプ氏は21日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で「大負け組」と呼んだパウエル氏に圧力をかけ続け、すでに不安定な株式市場をさらに下落させた。
トランプ氏はパウエル氏とそのチームに「今すぐ」金利を引き下げるよう要求。現在「事実上インフレはない」とし、多くのもののコストは低下していると主張した。それでもトランプ氏は、FRBが利下げしなければ経済が減速する恐れがあると述べた。
トランプ氏が1期目に自ら任命したことで始まったパウエル氏の任期は、2026年5月までの予定だが、トランプ氏はそれより前にパウエル氏を解任する合法的な方法を見つけようとしている。
パウエル氏は以前、米大統領が自らを法律に基づいて解任する方法はないと主張していた。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Bitcoin Holding Near $87k While Stocks Slump a ‘Strong Sign’ of Maturing BTC Sentiment