BNB、SOL、XRPが上昇──ビットコインの「デジタルゴールド」ナラティブが復活へ
  • 世界市場が不安定な中、ビットコイン(BTC)価格は8万7000ドルを超えて急騰し、「デジタルゴールド」としての役割が再び議論されている。
  • インフレと通貨切り下げを懸念する投資家がセーフヘイブン(安全な避難先)資産を求める中、金価格は年初来高値を更新し、年初来上昇率は25%に達した。
  • 米ドルは利下げの可能性から下落圧力に直面し、投資家を金やビットコインなどの資産に向かわせている。

世界的な市場低迷の中での金価格の急騰とビットコインの比較的堅調な値動きを受けて、一部のトレーダーはビットコインの「デジタルゴールド」としての役割を再検討している。これはビットコインの初期には大きな話題となったナラティブだが、最近では勢いを失っていた。

ビットコインはアジアの朝の時間帯に8万7000ドルを超えて急騰し、カルダノ(ADA)、ビルドアンドビルド(BNB)、エックス・アール・ピー(XRP)、イーサリアム(ETH)は1.5%上昇した。ソラナ(SOL)が過去1週間で5.2%上昇するなど、今回の値上がりは4月17日以降の下落分をすべて覆した。

関税を引き金とした貿易戦争はインフレと通貨切り下げへの懸念を呼び起こし、ヘッジとしての金の歴史的役割とビットコインとの比較を促している。

「ビットコインは米国株式と密接な相関関係があったが、株式が急落している間にセーフヘイブンとなってきた金の価格上昇との結びつきが強くなり、その関係に変化があるようだ」と、LVRGリサーチ(LVRG Research)のディレクター、ニック・ラック(Nick Ruck)氏は語り、次のように続けた。

「ビットコインが8万7000ドルを超えたのは、関税問題でパニックに陥った市場が安定し、投資家の信頼が再び高まったことを示すものだ。また、両資産が並んで成長している中で、ビットコインのデジタルゴールドとしてのナラティブが人気を博していることも注目に値する」。

金は21日、1オンスあたり3380ドルを超えて最高値を更新し、年初来の上昇率は25%に達した。ビットコインは1月のピーク10万8000ドルからは20%以上下落しているが、21日の8万7000ドル超えで、4月初旬のトランプ氏の「解放の日」以来の高値をつけた。

ドルインデックス(DXY)が3年ぶりの安値まで暴落するなど、米ドルへの圧力は高まり続けている。ほとんどの悪いニュースは「織り込み済み」であり、ビットコインは今後数日で上昇する可能性があると指摘する声もある。

「ジェローム・パウエルFRB議長を解任し、利下げを強行したいと考えるトランプ大統領の意向を受けて、人々は米ドルと米国債を売り、金、欧州債、そしてビットコインといった他のセーフヘイブン資産に移動している」と、暗号資産取引所BTSEのCOOであるジェフ・メイ(Jeff Mei)氏は語り、次のように続けた。

「結局のところ、金利が引き下げられると、より多くの資金がマネーサプライに流れ込み、米ドルが切り下げられる。全般的に、米ドルに対する下落圧力は高まっており、これはビットコインがセーフヘイブン資産となる原動力となる可能性がある」。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:BNB, SOL, XRP Spike Higher as Bitcoin ‘Digital Gold’ Narrative Makes a Comeback