ビットコインとステーブルコインが暗号資産市場の70%以上を占める──ETH/BTCレシオは5年ぶりの低水準
  • ビットコインの市場支配率が64.60%に達し、2021年1月以来の最高水準を記録した。一方、イーサリアムは年初来50%の下落で苦戦している。
  • ビットコイン、テザー(USDT)、USDコインの3つで、暗号資産市場の時価総額の72%を占めている。
  • イーサリアムとビットコインの比率は5年ぶりの最低水準となる0.01765を記録した。

ビットコイン(BTC)は、暗号資産(仮想通貨)エコシステムにおける支配的な地位をさらに強化している。

時価総額で上位2位のステーブルコインであるテザー(USDT)、USDコイン(USDC)と合わせると、これらの3つの資産は現在、暗号資産市場の総額の約72%を占めている。この支配的な地位は、暗号資産市場の上位層におけるさらなる統合を浮き彫りにしており、資本が安全性と強固さへの信頼を背景に集中する傾向が顕著になっている。

[BTCとUSDC、USDTの合計支配率。:TradingView]

ビットコインは単独で暗号資産市場の時価総額の64.60%を占めるまで急上昇し、2021年1月以来の最高水準を一時的に更新した。この支配率の急上昇は、継続するマクロ経済と市場の不確実性の中、投資家のビットコインへの選好が高まっていることを反映している。

ビットコインがリーダーシップを固める一方、最も近い競合であるイーサリアム(ETH)は2025年も苦戦を続けている。ETHは年初来で50%以上下落し、ビットコインを下回るパフォーマンスを示している。イーサリアムとビットコインの比率(ETH/BTCレシオ)は0.01765まで低下し、2020年初頭以来の水準に達しており、2つの主要暗号資産の間のパフォーマンス格差が拡大していることを浮き彫りにしている。

ビットコインはアメリカの株式市場とも顕著に乖離している。4月初めの「解放の日」以降、S&P 500は6%下落したのに対し、BTCは4%上昇し、外部市場の圧力にもかかわらずほぼ横ばいを維持している。記事執筆時点では、ビットコインは8万8000ドルをわずかに上回る水準で取引されており、イーサリアムは1600ドルをわずかに上回る水準で推移している。

ビットコインの主要なテクニカルレベル

ビットコインは現在、短期的な価格動向に影響を与える可能性のある複数の重要なオンチェーンおよびテクニカルレベル付近で推移している。

  • 200日移動平均線: 8万7965ドル
  • 2025年実現価格(2025年にビットコインを購入したユーザーのオンチェーン平均コストベースの平均価格): 9万1565ドル
  • 短期保有者の実現価格(6カ月未満のBTC保有者の平均取得価格):9万2385ドル

歴史的に、ビットコインはこれらの主要なテクニカルレベルを上回って取引される際に、持続的な上昇相場に突入する傾向がある。

[BTCの主要なテクニカルレベル 。:Glassnode]

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:TradingView
|原文:Bitcoin, Stablecoins Command Over 70% of Crypto Market as BTC Pushes Higher