ビットコイン、3月初旬以来初めて9万ドルを突破

- ビットコインは3月7日以来初めて9万ドルを突破。
- 米国のビットコイン現物ETFは21日、3億8000万ドル(約535億8000万円、1ドル141円換算)を超える資金流入を記録し、1月30日以来の高水準となった。
- 永久先物の資金調達率がマイナスになっていることは、ショートセラーがポジション維持のために手数料を支払っていることを示しており、上昇に拍車をかけている。
ビットコイン(BTC)は3月7日以来初めて9万ドルまで急騰し、過去5日間で5%以上上昇した。これは、世界最大の暗号資産(仮想通貨)と伝統的株式の動向が乖離するなかで起こった。
比較すると、S&P500は3月7日に5700ポイントを超えて取引されていたが、その後5200ポイントを下回った。
最近の反発にもかかわらず、ビットコインは年初来で5%以上下落したままだ。だが、4月8日の安値からは大幅に回復した。この安値は、年初来で約20%下落し、1月に記録した約10万9000ドルの史上最高値からは30%以上下落していた。これは今サイクルで最も急激な調整となり、2024年8月に4万9000ドルまで下落したときの下落幅を上回った。
市場構造の観点では、取引所全体の永久先物の資金調達率の平均は、現在マイナスとなっている。
永久先物の資金調達率は、先物市場におけるロングまたはショートポジションを維持するためのコストを反映している。調達率がマイナスの場合、ショートセラーがロングポジション保有者にポジション維持のための手数料を支払っていることを意味し、ショートスクイーズと呼ばれるものでショートセラーがポジションをカバーせざるを得なくなるため、価格上昇を加速させる可能性がある。
強気な勢いを後押しする形で、21日には米国のビットコイン現物ETF(上場投資信託)への1日あたりの流入額が1月30日以来最大となり、総額は3億8000万ドル(約535億8000万円)を超えた。ナスダックは、一部の観測者が「Turnaround Tuesday(トレンド転換の火曜日)」と呼ぶこの日、1%以上上昇しており、ビットコインはさらに上昇する可能性があるが、重要な抵抗水準が待ち構えている。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:ビットコイン価格(TradingView)
|原文:Bitcoin Rises to $90K for the First Time Since Early March