「ピクトレ」のDEA、東京電力グループGGGと新会社設立──「インフラの民主化」目指す

シンガポール拠点のWeb3企業Digital Entertainment Asset(DEA)は4月24日、東京電力グループのGreenway Grid Global (GGG)と「インフラの民主化」を目的とする合弁会社をシンガポールに設立したと発表した。

新会社名は「Growth Ring Grid(GRG)」で、設立日は2025年4月1日。

GRG設立の背景には、両社が共同開発した参加型社会貢献ゲーム「ピクトレ(PicTrée)」の展開がある。

これは市民がゲームを通じて電柱などを撮影し、インフラ点検に貢献するもので、老朽化が進む社会インフラの維持管理におけるリソース不足への解決策として開発された。

DEAは今年2月から3月にかけて、NTT-ME、GGGと共に、このピクトレを用いた実証実験を北関東3県(栃木、群馬、茨城)の電信柱約15万本を対象に実施している。参加者には報酬として同社発行の暗号資産DEAPcoin (DEP)が付与される。

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また、DEAは事業拡大に向けた動きを活発化させており、今年1月には持株会社PlayMiningがZUU Funders組成のファンドから約10億円の資金調達を実施したことを発表した。

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調達資金は米ナスダック市場への上場準備に向けた組織体制強化に充てるとし、DePIN(分散型物理インフラネットワーク)分野での展開強化も視野に入れる。

新会社GRGは、DEAのWeb3技術やゲーミフィケーションの知見と、GGGのインフラ現場に関する知見やネットワークを融合させ、ピクトレの社会実装を加速させる。

|文:栃山直樹
|画像:リリースから