インドのフィンテックスタートアップの総調達額が中国を上回ったことが、CB Insightが公開したレポート『Global Fintech Report Q3 2019』で分かった。同レポートは2019年第3四半期が対象で、この期間のインドのフィンテック市場の調達額は6億7,000万ドルだったのに対し、中国は6億6,000万ドルだった。
大型ディールの回数は中国がインドを上回る
2019年第3四半期のフィンテック企業調達額は88億7500万ドルで、前期(第2四半期)の87億800万ドルを超えた。
四半期ごとでは過去最高は2018年第2四半期で206億7400万ドルだが、これはアントフィナンシャルの超大型調達(140億ドル)があったため。これを除けば66億7400万ドルということになり、今回発表された2019年第3四半期の88億7500万ドルが過去最高額になる計算だ。
なお2019年通期では246億ドルとなり、17年の188億ドルを超えた。しかし、やはりアントフィナンシャルによる大型ディールのあった18年の406億ドルには及んでいない。
2019年第3四半期の調達額ではインドが中国を僅差で超えたものの、大型調達ディールの回数では、インドの33回に対し、中国が55回と面目躍如。
東南アジアのフィンテック企業の調達総額は7億100万ドル、ディールも87回で最多を更新した。
アジアのフィンテックユニコーンは10社
世界規模でみると、VC支援を受けたフィンテックユニコーンは58社あり、2019年第3四半期にも新たに6社誕生。時価総額は2,135億ドルとなった。
アジアのフィンテックユニコーンでは、中国は5社(陸金所 Lufax、団貸網 Tuandaiwang、草根投資 CGTZ、同盾科技 Tongdun Technology、百望云 Baiwang)、インドは3社(Policy Bazzar、Paytm、BiilDesk)のほか、日本と韓国からは1社ずつ(それぞれLiquid、Toss)が紹介された。
文・編集:濱田 優
写真:CB Insights