世界的なITコンサルティング大手のガートナーは「2025年までに、銀行口座を持たないスマートフォン所有者の50%が、モバイルでアクセス可能な仮想通貨口座を利用する」「2023年までに、世界のニュースやビデオ・コンテンツの最大30%が、ディープ・フェイク・テクノロジに対抗するブロックチェーンによって本物であると認証される」と予想している。
このほど発表した「IT部門およびユーザーに影響を与える 2020年以降に向けた重要な展望」に10項目の予想を挙げている。
「主要ニュース企業の10社以上がブロックチェーンで信ぴょう性証明へ」
仮想通貨の利用に関する予想では、主要なオンライン・マーケットプレースやソーシャル・メディア・プラットフォームが2020年末までに仮想通貨による決済への対応を開始するとした上で、「銀行口座を所有していない全世界の市民の半数以上が2025年までに、新しいモバイル対応の仮想通貨口座サービスを利用するようになる」と予想している。
特にサハラ以南のアフリカとアジア太平洋を挙げ、こうした地域の新興国で金融包摂が進むことにも触れている。
ブロックチェーンの活用については、フェイクニュースがまん延している理由を「ソーシャル・メディア上のボット制御のアカウントにある」と指摘。2021年までに、主要なニュース企業の10社以上がブロックチェーンでコンテンツの信ぴょう性を証明するようになると予想している。
ディスティングイッシュト バイスプレジデントのダリル・プラマー氏は「IT部門はコンテンツ制作チームと協力し、ブロックチェーン・テクノロジを用いて、企業が生成したコンテンツの出所を明らかにし、追跡しなくてはなりません」とコメントしている。
「AI感情識別がオンライン広告に影響」「WHOが過剰なオンライン・ショッピングを依存症と認定」
ガートナーが発表した、戦略的展望トップ10のうちその他(トップ8)は次の通り。
・2023年までに、障害のある従業員を雇用する機会は、AIや最新テクノロジによって3倍に増加し、就業への障壁が低くなる。
・2024年までに、AIによる感情の識別が、表示されるオンライン広告の半分以上に影響を及ぼす。
・2023年末までに、IT部門の30%は、従業員のヒューマン・オーグメンテーションに対応するために、「個人の拡張能力の業務利用 (Bring Your Own Enhancement: BYOE)」によってBYODポリシーを拡大する。
・2023年までに、G7のうち4カ国以上では、AIおよび機械学習の設計者を監督するための自主規制団体が設立される。
・2023年までに、プロフェッショナルな従業員の40%が、音楽ストリーミングのエクスペリエンスのように、ビジネス・アプリケーションのエクスペリエンスや機能を調整する。
・2021年末までに、従来型の大企業は、デジタル・トランスフォーメーションの取り組みに対し、平均して想定の2倍の期間とコストをかけることになる。
・2023年までに、個人の活動は「挙動のインターネット」を通じてデジタルに追跡され、全世界人口の40%のメリットやサービスの資格に影響を及ぼす。
・2024年までに、数百万人がデジタル・コマースを濫用し、金銭的なストレスに直面することから、世界保健機関 (WHO) は過剰なオンライン・ショッピングを依存症と認定する。
文・編集:濱田 優
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