犠牲者が20人を超えるなど深刻な被害が出ているオーストラリアの森林火災に対し、仮想通貨取引所大手のバイナンスが1月8日、1.1億円(100万ドル)相当の仮想通貨を寄付すると発表した。仮想通貨による寄付は、西日本豪雨の後や、沖縄の首里城やフランス・パリのノートルダム大聖堂などの火災被害でも行われるなど、国内外で広がりを見せている。
仮想通貨なら寄付金の流れを把握できる
仮想通貨・暗号資産による寄付の長所は、簡単に送金できることと、ブロックチェーンを使うため送金後の流れを検証できること。これは「本当に送りたい相手に届いたのかどうか」を確認できるということだ。
もし現金で国境を越えて寄付しようとすると、金融機関を通して大金を送ることになるため一定の審査が必要になる。また寄付する側が最も気になる「投じたお金が被災地など必要な相手に届いているかどうか」の確認が難しい。
西日本豪雨では1.6億円相当集める
バイナンスは自身の取引所トークンであるBNBで寄付をするという。同時に、利用者からもBNBでの寄付の受付を発表した。
バイナンスは、2018年の西日本豪雨による被害や、2019年のノートルダム大聖堂の焼失の際にも寄付を個人や法人などに募っている。西日本豪雨の際は総額約1.6億円相当の仮想通貨が集まった。
2019年10月に沖縄・首里城が焼失した際には、仮想通貨取引所のフォビジャパンが仮想通貨による寄付を呼び掛けるなど、国内外で仮想通貨による寄付・被災地支援の事例が増えている。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:alexandersr / Shutterstock