ネットワーク機器大手のシスコ(Cisco)は、ブロックチェーンを活用して5Gネットワークのデータを保護する方法に関する特許を取得した。
11月26日(現地時間)付の米特許商標庁(Patent and Trademark Office:USPTO)の書類によると、シスコは2018年6月、ワイヤレス・ネットワークにネイティブに統合できるブロックチェーン・プラットフォームの特許を申請した。
このブロックチェーン・プラットフォームは、電話やラップトップといった装置ユーザーと、バーチャル・ネットワークの間のデータセッションを管理することを目的としている。
つまりこの新しい技術は、ブロックチェーン・インターフェイスを通じて、ネットワークと接続されたデバイスの間のデータのやり取りの一部を管理することができる。
同じ物理インフラ上の複数のバーチャル・ネットワークを管理
シスコは、ネットワーク・スライスをサポートするためにブロックチェーン・プラットフォームを利用する方法を説明した。ネットワーク・スライスとは、同じ物理的インフラ上で複数の独立したバーチャル・ネットワークをより効率的に実行することができるインフラを意味する。
「このサービス志向のアーキテクチャは、共存するネットワーク・スライス上の他の機能やサービスに影響を及ぼすことなく、それぞれのネットワーク・スライス内でソフトウエア・プラグラムを通じて、個々のネットワーク機能とアプリケーションサービスの両方またはいずれか一方を実行できる独立した一連のプログラム可能なリソースを用いるネットワーク・スライスをサポートする」と書類には記されている。
シスコは、ブロックチェーン技術とIoTのインテグレーションを追求している数多くのIT企業の1つ。ボッシュ(Bosch)、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNY Mellon)、クロニクルド(Chronicled)、フィラメント(Filament)といった企業は、商品やサービスの創出もしくはアップグレードするためにハイパーレジャー(Hyperledger)、イーサリアム、クォーラム(Quorum)を利用してきた。
ブロックチェーンでAIを分散化
9月、シスコはAIサービスを提供するシンギュラリティーネット(SingularityNet)と提携、ブロックチェーン技術を通して、学習するコンピュータ能力が単一のソースに集中することを防ぐことによってAIシステムを分散化させる。
シスコはまた、2018年3月の申請書類によると、ネットワーク内でのグループチャットのために、より安全な環境を生み出す別のブロックチェーン技術の開発にも取り組んでいる。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Larcsky / Shutterstock
原文:Cisco Patent Would Secure 5G Networks With a Blockchain