ソフトバンクのSBCウォレット・カーズ(SBC Wallet Cards)と名乗る企業が、「デジタル通貨のウォレット機能を備えたデビット・クレジットカードを日本で導入した」とする発表文が海外のプレスリリース配信サイトを通じて広がったが、ソフトバンクの広報担当者はCoinDesk Japanの取材に対し、同社がそのような発表をした事実はないと否定した。
ソフトバンクの名前で出されているが、当社のものではない
ソフトバンクの広報担当者はCoinDesk Japanの質問に対し、「ソフトバンクの名前でリリースが出されているが、当社のものではない。現在、米国のソフトバンクも含め、さまざまな関係者に確認している」と明かした。
12月1日付のリリース文によると、カードの名称は「SBCウォレット・カーズ」(SBC Wallet Cards)。デビットカードやクレジットカード機能に加えて、デジタル通貨のウォレットとしての機能も持つという。
ユーザーは設置されたWi-Fiボタンを用いてコールドウォレットとホットウォレットの切り替えが可能で、法定通貨とデジタル通貨の両通貨の利用ができ、残高情報もリアルタイムに確認できるという。リリース文は、日本では既に同カードは導入されており、今後は米国や東南アジア諸国、韓国、ドバイなどで展開すると述べている。
同リリースでは、Softbank SBCのプロジェクトリーダーのコメントが引用されているが、日本のSB広報担当者は「知らないところでコメントされている」とした。なおリリースでもプロジェクトリーダーの名前は明らかにされていない。
今回のリリース文とは別に、「ブロックチェーンを用いたカードを開発しているか」と質問したところ、前出の広報担当者は、「ソフトバンクとソフトバンク・コマース&サービス(当時。現SB C&S)が2018年に、ダイナミクスと協業に合意したと発表したのは事実だが、発表以上のことはコメントできない」と述べた。
文:小西雄志
編集:濱田 優
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