バイナンスが提供する開発者プラットフォーム「Binance X」とは何か

仮想通貨・暗号資産取引所の大手バイナンスがブロックチェーン開発者向けのプラットフォーム「Binance X」を始めている。開発者がブロックチェーンを学び、導入できるようにしたい考え。学習の対象には、バイナンスのパブリックブロックチェーン・バイナンスチェーンやBinance.comのAPI、同社のノン・カストディアル・ウォレットTrust WalletのSDKなどが含まれるという。

お金の自由化を実現するプラットフォームづくりがミッション

バイナンスはブログで、「お金の自由化を可能にするプラットフォームをつくる」ことをミッションとし、その実現のためにさまざまな開発環境を提供してきたと強調。

さらに、バイナンスは機能性のあるAPIを持ち、既に信用取引が可能で、かつ近い将来には先物やレンディングもできるようになること、取引所の垣根を超えて利用できるマルチチェーン、ノン・カストディアル・ウォレット(トラスト・ウォレット)、分散型取引を可能にするパブリックチェーン(バイナンスチェーン)を持っていることをアピール。その上で、バイナンスチャリティ財団のブロックチェーンで寄付の追跡もできることを紹介した。

これらをして、バイナンスが「サードパーティーの開発者が自社の製品やサービスを作ることができるプラットフォームになっている」と説明。バイナンスXを始める理由として、プラットフォームが急速に進化するにつれ、バイナンスのエコシステムにおいて開発者をしっかりとサポートする方法をまとめて提供する必要があると述べた。

バイナンスXの活動はテーマごとに3つに分類。レファレンスと各種情報を提供する「Learn」、各種ツールをオンライン・オフラインで提供する「Collaborate」、参加企業が次のステージに上がるためにプロジェクトの手助けとなる各種プログラムを紹介する「Grow」となっている。

バイナンスXにはフェローシッププログラムも

さらにバイナンスXフェローシッププログラムについても紹介。これは、才能ある開発者に、クリプト経済で新たなイノベーションやビジネスを創出できるオープンソースのソフトウェア開発を手助けする試みだ。

既にこのプログラムには40以上の開発者とプロジェクトが稼働中で(2019年8月時点)、バイナンスチェーンを活用したスマホアプリGoBNB、バイナンスチェーン用のウォレット「BrowserBNB」、ウェブウォレット「Burner Wallet」などの代表者や開発者も参加しているという。

文・編集:濱田 優
写真:Binance Blog