運用総額1300億円を超えるベンチャー・キャピタル、グローバル・ブレインの百合本安彦代表取締役社長は12月6日、都内で自社イベントに登壇。総額200億円の6号ファンドから投資した160億円超のうち、約47億円をフィンテック・ブロックチェーン分野に投資したと明らかにした上で、先端技術分野への投資を続ける姿勢を改めて示した。
14件・47億円をフィンテック・ブロックチェーン分野に投資
発表によると、投資件数は全体で81件。そのうちフィンテック・ブロックチェーンへの投資件数は14件で、AI・ビッグデータ分野の15件に次いで2位。しかし金額では6号ファンドの中で最大で47億円。投資額が160億円のため、約30%にあたる。
百合本氏はまた、7号ファンドの投資分野でもフィンテック・ブロックチェーン分野を挙げた。人員面でも技術分野での投資体制も拡充したといい、引き続きディープテック領域に投資する姿勢だ。
「相場の調整局面が来るかもしれない」
昨今の投資環境については、「スタートアップの時価総額が高くなってきている。相場の調整局面が来るかもしれないので、絞り込んで投資している。とくに評価額の高いスタートアップへの投資は控えるようにしている」と述べた。
また海外進出について、2020年1月にはインドネシアに新たにオフィスを設立することを明かした。2020年の中国への進出について「まず間違いない」との認識を示した。
グローバル・ブレインはブロックチェーン分野に積極的に投資していることでも知られる。デジタル証券の米セキュリタイズや、ゴールド・トークンを発行するシンガポールのDIGIXなどに投資してきた。今後もその動きを加速させると見られる。
文・写真:小西雄志
編集:濱田 優