中国の国有商業銀行「ビッグ4」の一つ、中国建設銀行(China Construction Bank)は12月6日、中小企業の資金繰りを支援するブロックチェーン・ベースのプラットフォームをローンチした。
リファクタリング・プラットフォーム
ChainNewsによると同行は、中小企業が短期受取手形などの金融債権を割引価格で販売し、同プラットフォームを通じて即時に現金支払いを受け取ることを支援する。
記事によると、新しいプラットフォームでは、同行は中小企業から債権を買い取ったファクタリング会社から金融債権を購入できるようになる。また同行は、信用リスク保証や債権管理を含む、他の金融サービスも提供する。
金融サービスの多くは、短期的な資金を確保する目的で輸出企業に利用されている可能性がある。輸出企業が相手先から支払いを受けるまでには時間のかかるプロセスが多いためだ。
同行はブロックチェーン・ベースのプラットフォームを使って、貿易金融サービスを開発している。新しいプラットフォームはその最新の取り組みだ。
同行は、10月に貿易金融プラットフォーム「BCTrade」をアップグレードした。BCTradeは2018年4月のローンチ以降、530億ドル(約5兆7600億円)の取引高を達成している。
貿易金融の効率化を促進
今回、このプラットフォームの新バージョンでは、ファクタリング(債権の買取)およびフォーフェイティング(輸出手形の買取の一種)を中国国内および海外のさまざまな銀行とノンバンクに展開する。
中国建設銀行の取り組みは、中小企業を支援するためにブロックチェーンを活用する中国銀行に並ぶものだ。
中国銀行は12月6日、ブロックチェーン技術を使っている中小企業への融資のために、約28億ドル(約3000億円)の債券の価格設定と発行を完了したと発表した。
いくつかの国は、ブロックチェーン・ベースの貿易金融サービスを試みている。
TradeIXとR3によって構築された貿易金融ブロックチェーンのマルコポーロ(Marco Polo)は、20以上のグローバルバンクに利用されており、ドイツとロシアの間での最初の試験的な取引を行った。
アジアの大手銀行DBS、トラフィグラ・グループ(Travigura Group)、シンガポール政府も、ブロックチェーン・ベースのプラットフォームによってグローバルな貿易を促進する計画を策定した。
翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸
原文:State-Owned Chinese Bank to Finance Small Businesses With Blockchain Tech