電力メーターデータ向けブロックチェーン、ロシアでテスト中

ロシアの国有送配電企業ロセッティ(Rosseti)は、ブロックチェーン・プラットフォーム「ウェーブズ(Waves)」を使った電気料金支払いのためのシステムをテストしている。

次のフェーズは合計500万人以上の2州で対象

ロシアの分散型台帳技術(DLT)スタートアップ、ウェーブズの企業向けブロックチェーン部門ウェーブズ・エンタープライズ(Waves Enterprise)は、今回のテストにはロシアの2つの行政地域の400世帯が参加しているとブログで述べた。

2020年初頭に開始予定の次のフェーズでは、合計で約530万人を抱えるカリーニングラード州とスヴェルドロフスク州の全域でこのシステムが利用される。ウェーブズ・エンタープライズによると、その次のステップはロシア全土への拡大だ。

発表によると、このシステムは戸建て住宅や集合住宅の電気メーターのデータにアクセスしてデータを保管し、発電会社と送電網の運営会社の間で顧客の支払いを分配する。

この取り組みは、支払いの計算に透明性を持たせ、電力料金の未払いを削減することが狙い。2019年、すでに1250万ドル(約14億ドル)以上に達している。

各家庭はアプリを通じて電力消費量を確認し、料金が安い夜間料金を選択するなど、より適切な料金体系を選べるようになる。

我々はロセッティにコメントを求めたが、記事執筆時点までに回答はなかった。

ロシアで開発されたプラットフォームで

ウェーブズ・エンタープライズを選んだ重要な要素は、ロシアを拠点としていることだったと、ロセッティ会長の顧問を務めるセルゲイ・セメリコフ(Sergei Semerikov)氏は述べた。

「このシステムはプライベート・ブロックチェーン上、そして、弊社のデータ保護と暗号化の要求を満たす、我々の国で開発されたプラットフォーム上で開発されるべきと考えている」とセメリコフ氏は声明で述べた。

今回のテストには、ロシア最大級の民間銀行アルファバンク(Alfa Bank)も参加している。

ロセッティは以前、ロシアの石油ガス大手の子会社ガスプロムバンク(Gazprombank)およびベンチャーファンドのデジタル・ホライズン(Digital Horaizon)と共同したブロックチェーンのテストについても発表している。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Image via Shutterstock
原文:Russia’s Power Grid Company Tests Blockchain for Power Meter Data