オランダのING銀行、暗号資産カストディ技術を開発中

オランダに拠点を置く大手総合金融機関INGグループは仮想通貨カストディ技術を開発している。ロイターが伝えた。

この取り組みの最終的な目的は、同行の顧客に安全な仮想通貨ストレージを提供することと「本件に詳しい」複数の情報筋は示唆した。ロイターが12月11日(現地時間)に伝えた

開発はまだ初期段階だが、アムステルダムを拠点とするチームによって開発されているようだ。

ロイターの報道に対してINGは、同社は「資産に裏づけられたデジタル資産とネイティブ・セキュリティトークンの双方について、チャンスが大きくなっていると考えており」、この分野を顧客に開放するためにブロックチェーン技術の開発に特に注力していると述べた。

INGはすでにブロックチェーンに数多く取り組んでおり、4月、同社専門開発チームは、クライアントのデータを隠す可能性を持つ「bulletproof(防弾)」と呼ばれるプライバシー技術に取り組んでいると語った。

またINGは、コンソーシアム・スタートアップであるR3のマルコポーロ(Marco Polo)プロジェクトの一環として、そしてオランダの銀行ABNアムロ銀行(ABN Amro)と提携して、ブロックチェーン・ベースの貿易金融にも取り組んでいる。1月、INGはR3のコルダ・エンタープライズ(Corda Enterprise)プラットフォームを使用するために、R3と5年間のライセンス契約を結んだ

仮にINGが今、仮想通貨カストディアンに加われば、伝統的な金融機関としては極めて稀なケースとなる。

フィデリティ(Fidelity)のデジタル資産部門は、今年はじめにカストディサービスを開始した。インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange:ICE)のビットコイン・デリバティブ子会社バックト(Bakkt)も同様。野村ホールディングスは機関投資家グレードのカストディサービスを2020年前半に始めると見られている

その他には、ジュリアス・ベア(Julius Baer)アラブ銀行スイスといった少数の小規模銀行のみが、顧客を引きつけるためにこのサービスを提供しようとしている。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Dutch Bank ING Reportedly Working on Crypto Custody Tech