2019年、そして2010年代が終わりを迎えるなか、仮想通貨は再び、他の主要な資産クラスのパフォーマンスを上回っている。
2017年12月下旬の最高値から大きく下落しているにも関わらず、時価総額の大きな複数の仮想通貨は、目を見張るような1年となり、10年間で最も大きな投資サクセスストーリーの一つであり続けている。
仮想通貨は年間パフォーマンスで世界をリードする資産クラスとしてのポジションを固め、2019年のアメリカ株式、コモディティ、債券市場の年間利回りをはるかに上回った。
デジタル・アセット・データ(Digital Assets Data)の共同創業者兼社長のライアン・アルフレッド(Ryan Alfred)氏は、時価総額の大きな複数の仮想通貨は2019年、伝統的な市場に比べてはるかに大きな利回りとなったと述べた。
「時価総額トップ10の仮想通貨(Bitwise 10)のパフォーマンスを他の主要な資産クラスと比べて振り返ると、特別な特徴を読み取ることができる」とアルフレッド氏は指摘した。
仮想通貨 vs 伝統的な資産
上記のグラフが示す通り、デジタル・アセット・データが提供したリサーチ結果は、時価総額トップ10の仮想通貨の2019年のパフォーマンスは、ゴールド、石油、株式といった他の主要資産クラスをいかに上回ったかを示している。
もちろん、2019年のスタートはそうではなかった。2月、トップ10仮想通貨はかなり悲惨な状況となり、リターンは他のすべての伝統的な資産クラスを大きく下回っていた。しかし、市場心理は3月と2019年中頃に大きく回復を始め、トップ10仮想通貨は他の資産を大きく上回った。
2019年の後半、株式、債券、コモディティとの差は小さくなり始めた。それでも年末を迎えるなか、仮想通貨は他の資産クラスを大きく上回った。
この急回復のほとんどは、ビットコイン(BTC)によるものだ。ビットコインは現在、年初から100%上がっている。一方、イーサ(ETH)は今年現時点までで35%上がったが、リップル(XRP)は1月1日の価格よりも25%下落した。
仮想通貨のサクセスストーリー
この10年が始まる前年、世界は金融危機の苦しみの中にいた。その時から株式市場は回復した。2009年3月の暴落時の最安値から現在までで、S&P 500は369%も上昇した。同様にダウ平均株価も326%上昇した。
しかし、ビットコインはこうした数字を吹き飛ばす。2010年3月からの1年弱で驚異的な1200万%(数字は間違いではない)を超えて上昇した。メッサーリ(Messari)のデータが示す通り、2010年3月は1BTCが約0.05ドルだった。
仮想通貨の成功は、その最も特徴的な性質のためと言えるだろう。つまり、高いボラティリティと流動性だ。それらは市場参加者がデジタル通貨と法定通貨を素早く、簡単に取引することを可能にした。
仮想通貨を使った国境を越えた支払いプラットフォーム、スクリル(Skrill)のロレンゾ・ペレグリノ(Lorenzo Pellegrino)CEOは、仮想通貨は初期段階の市場に似ていると指摘した。激しく変動する価格によって、仮想通貨は不合理な市場心理と参入障壁の低さに基づいた、他すべての資産クラスを上回ることができた。
「(仮想通貨が)成熟するにつれて、安定性が増し、重要なファンダメンタルズはより明確になるだろう」と同氏は述べた。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Photo by Jeremy Bishop from Pexels
原文:Cryptocurrency Is Still the World’s Best Performing Asset Class This Year