R3は、コルダ(Corda)プラットフォームでは最大級と言われたオープンアカウント貿易金融トライアルを終えた。
700件以上のファクタリングを処理
トライアルには、25カ国以上の70を超える組織が参加した。それら組織からの340以上の参加者は、金融サービス、IT、情報通信、ロジスティクス、海運、不動産、ホスピタリティー、自動車業界に関わる人たちだった。
トライアルでは、トレードIX(TradeIX)が開発した運営資金アプリケーションをテストし、マルコ・ポーロ(Marco Polo)のプラットフォーム上の売掛債券金融商品に重点を置いたと、トレードIXは12月12日(現地時間)に発表した。
売掛債券金融はファクタリングと呼ばれ、企業が即金での支払いを受ける代わりに第三者に売掛債券を割引で販売するものだ。
トライアルの狙いは、参加コストを減少させつつ、接続性と効率性を高めること。マルコ・ポーロは、ユーザートレーニングに必要な期間は平均1日のみで、トライアルでは700を超える資金調達のリクエストが完了したと述べた。
貿易における即時決済と透明性
ブロックチェーン企業のR3とトレードIXから資金提供を受けたマルコ・ポーロは、貿易における即時決済と透明性の構築を目指している。9月、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)、マスターカード(Mastercard)、自動車メーカーのダイムラー(Daimler)もネットワークに加わった。10月には初のロシア-ドイツ間の取引を実行した。
11月、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(Bank of New York Mellon)はネットワークに参加する28番目の銀行となった。同行の貿易金融のグローバル責任者、ジュン・キム(Joon Kim)氏は、R3のプラットフォームがオープンアカウント金融向けに整備されていることを参加理由としてあげた。
オープンアカウント取引では、商品は支払い期限前に発送される。信用状取引により、銀行が買い手の支払いを事前に保証する。
12月のトライアルに参加した銀行は、オランダのABNアムロ銀行(ABN AMRO)、メキシコの銀行バノルテ(Banorte)、ボストンを拠点とするシチズンズ・バンク(Citizens Bank)、フランクフルトを拠点とするコメルツ銀行(Commerzbank)、香港を拠点とする東亜銀行(Bank of East Asia)、サウジ・ブリティッシュ・バンク(Saudi British Bank)など。
参加企業は、BMW、サウジアラビアを拠点とするインターナショナル・イスラミック・トレード・ファイナンス・コーポレーション(International Islamic Trade Finance Corporation)、ドイツのバーデン・ヴュルテンベルク州立銀行の子会社で金融サービス企業のスードファクタリング(SüdFactoring)、住友商事、SBIホールディングス、SBI R3ジャパンなど。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
原文:R3 Completes Trade Finance Blockchain Trial With More Than 70 Organizations