EY、スマートコントラクトのテストサービスをローンチ

アーンスト・アンド・ヤング(EY)は、スマートコントラクトのレビューサービスの公開テストを開始した。

ERC-20ベースのスマートコントラクトが対象

12月18日(現地時間)に公開されたパブリックベータは、ユーザーがコードをペーストすると、スマートコントラクトの機能性と効率性をテストし、そのセキュリティリスクを特定する。同時にコードの品質評価も行う。

現在、このサービスはプログラム言語「Solidity」で記述された、ERC-20ベースのスマートコントラクトのみが対象。将来、他のブロックチェーン・プロトコルまでサポートを拡大するかどうかについてはEYは言及しなかった。

投稿サイトのレディット(Reddit)に「pbrody」と名乗るユーザー、おそらくEYのブロックチェーンのグローバル責任者、ポール・ブロディ(Paul Brody)氏が投稿した内容によると、EYはまもなくテストサービスを開始する予定だ。

EYは4月にこのサービスを発表、当初は「EYスマートコントラクト・アナライザー(EY Smart Contract Analyzer)」と呼ばれていた。プライベート・ベータでのテストから8カ月が経過した。

投資家はトークンのコードを確認することで、ソフトウエアの変更をチェックし、トークンとスマート・コントラクトが業界標準を満たしていることを確認できるとEYは述べた。また、イーサリアム・ブロックチェーンから集められたデータを使って、さまざまなトランザクション・シナリオでトークンをチェックすることも可能だ。

EYのブロックチェーン・アナライザー

「我々のクライアントは、ますます重要なエンタープライズ・ビジネス・プロセスとソフトウエア・コードへの価値ある投資を重視するようになっている」とブロディ氏は4月の発表で述べた。

「我々は、エンタープライズ・コンピューティング・システムをアンチウイルス・ツールなしで運用しない。また、ブロックチェーン・ベースの投資システムは、スマートコントラクトおよびトークン・テストツールとともに運用されてこそ意味を持つ」

EYのレビューサービスは、同社の大規模なブロックチェーン・アナライザー(Blockchain Analyzer)の一部。ブロックチェーン・アナライザーはトランザクション・データを収集・レポートする分析ツールで、ブロックチェーン上での財務報告と監査が可能になる。

同じく4月に公開されたブロックチェーン・アナライザーのセカンド・バージョンでは、サポートするプロトコルが増え、プライベート・ブロックチェーンやプライバシーを強化したゼロ知識証明ベースのトランザクションも分析できるようになった。

イーサリアム・ブロックチェーンでプライベートなトランザクションを実行するEYのプロジェクト、いわゆる「ナイトフォール(Nightfall)」も、ブロックチェーン・アナライザーに統合された。

EYは10月、政府が自らのトランザクションを追跡・分析できるブロックチェーン・ツールを開発したと発表、これは公的資金の管理における透明性と説明責任を改善するためのものだ。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Ernst & Young
原文:EY Launches Token and Smart Contract Testing Service in Open Beta