この1週間に起きた仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン分野のニュースを振り返ろう。12月13日(金)-20日(金)には、スウェーデン中銀がデジタル通貨「イークローナ」の実験を発表し、欧州中銀が中銀デジタル通貨のプライバシー保護技術を開発し、「ドルの通貨覇権に対抗するため、イスラム世界は独自の仮想通貨が必要」とイランのローハニ大統領が述べたといったニュースが報じられた。
12月13日──スウェーデン中銀がデジタル通貨の実験へ。ベネズエラ大統領、公務員や退職者に仮想通貨ペトロを配布
スウェーデン中銀、デジタル通貨「イークローナ」の実験へ──アクセンチュアと
スウェーデンの中央銀行「スウェーデン国立銀行」がデジタル通貨「イークローナ(e-krona)」を実験すると発表した。アクセンチュアと提携して「模擬店舗」を使ったテスト環境で運用する。実験は1年間の予定だが、スウェーデン国立銀行は最大7年間行うとしている。
ベネズエラのマドゥロ大統領、公務員や退職者に仮想通貨ペトロを配布
ベネズエラの公務員、退職者、軍人などは、クリスマスに同国の仮想通貨「ペトロ」を受け取ることができると、地元メディアのエル・ユニバーサル(El Universal)が伝えた。ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領が、ボーナスとして0.5ペトロ(約3300円)を配布すると発表した。
12月14日──TikTok運営企業、ブロックチェーンやAIで新会社
若者に人気の動画共有アプリ「TikTok」を運営するバイトダンス(ByteDance)が、中国のメディア企業と合弁会社を設立し、ブロックチェーンやAI(人工知能)を活用した事業を行うと、ブルームバーグが報じた。
12月16日──コインチェックの証拠金取引、来年3月に終了
マネックス・グループ子会社の仮想通貨取引所コインチェックが、2020年3月にレバレッジ取引を終了すると発表した。
12月17日──欧州中銀が中銀デジタル通貨のプライバシー保護技術を開発。フィデリティ、機関投資家向けカストディ事業をヨーロッパに拡大
欧州中銀が中銀デジタル通貨のプライバシー保護技術を開発
欧州中央銀行(ECB)が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)のプライバシー問題を解決する技術を開発したと発表した。小売取引の際にプライバシーを保証するための「匿名バウチャー」を開発した。
フィデリティ、機関投資家向けカストディ事業をヨーロッパに拡大
世界最大の投資信託会社、フィデリティ・インベストメンツがヨーロッパの機関投資家にデジタル資産の管理サービスを提供すると発表した。フィデリティ・デジタル・アセット・サービス(Fidelity Digital Asset Services:FDAS)を通じて提供する。
12月18日──EY、スマートコントラクトの検証サービスを開始
大手国際会計事務所アーンスト・アンド・ヤング(EY)が、スマートコントラクトの検証サービスの公開テストを開始した。スマートコントラクトの機能性と効率性を検証し、セキュリティリスクを特定するという。
12月19日──ドルの通貨覇権に対抗するため、イスラム世界には独自の仮想通貨が必要:ローハニ大統領
イスラム世界はアメリカ・ドルへの依存から脱却するために独自の仮想通貨を必要としていると、イランのハッサン・ローハニ大統領が語った。AP通信が伝えた。ローハニ大統領は「イスラム世界は、米ドルとアメリカの金融体制による支配から自分たちを守るための手段をデザインすべき」などと述べた。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock