コインベース(Coinbase)のCEO、ブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏は、ビットコイン決済をメール送信と同じくらい簡単にする特許を取得した。
メールアドレスを使ってビットコインを決済
特許は2015年3月に申請され、12月17日(現地時間)に認められた。特許には、ユーザーがウォレットアドレスにリンクしたメールアドレスを使って仮想通貨決済を行うためのシステムが詳細に説明されている。
送信者は、仮想通貨をメールアドレスに送るリクエストを行う。必要な残高があれば、システムが自動的に送信者のウォレットから受信者のメールアドレスに対応するウォレットに仮想通貨を送信する。
このシステムでの決済には、受信者が支払いを確認してから48時間が必要だ。決済待ちの仮想通貨は、対応したウォレットにリンクしたメールアドレスしかアクセスできない安全な金庫に保管される。
コインベースは2012年以来、20億ドル(約2200億円)を超える決済手数料を得たが、このメールシステムはユーザーに手数料を課さない。特許によると、マイニング手数料は取引所が負担する。外部ウォレットへの決済も可能だが、手数料がかかる可能性がある。
特許は具体的にビットコインに言及しており、システムが他の仮想通貨にも対応可能かどうかは明記されていない。だが、おそらく大きな障害とはならないだろう。メールプロバイダーに関する制限もないようで、ユーザーは希望すれば既存のメールアドレスを利用可能だ。
メールシステムには、ユーザーがリンクした銀行口座から法定通貨を使って、アプリ内でビットコイン取引を行うための取引所機能も含まれる。
新サービスに発展するのか?
コインベースがこの特許を使って新しいサービスを計画しているか否かはわからない。CoinDeskはコインベースにコメントを求めている。
17日には、他にも2つの特許がコインベースに対して認められた。1つはユーザーアカウントが国際法および国内法を遵守していることを確実にするためのアプリケーション、もう1つは遵守していないアカウントを閉鎖するための執行プロトコルだ。
このメール決済システムは、初級ユーザーにとって仮想通貨取引をより簡単なものにする可能性がある。8月、アームストロングCEOは包括的な金融システムを作りたいと述べた。
「コインベースのビジョンは、これから10年で世界中のすべての人と企業のために、より大きな経済的自由を生み出すこと」
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Coinbase CEO Brian Armstrong via CoinDesk
原文:Coinbase CEO Armstrong Wins Patent for Tech Allowing Users to Email Bitcoin