楽天やLINEなどのIT大手が相次いで仮想通貨業界に参入した2019年。セキュリティ・トークン(ST)や中央銀行デジタル通貨(CBDC)などへの注目も高まった。2020年の本格始動を前に、昨年、日本国内で話題になった関連ニュースを時系列で確認しておこう。
1月11日──コインチェック、仮想通貨交換業者の登録完了 巨額流出から1年
約580億円相当の仮想通貨「NEM」が流出する事件を起こしてから約1年、「コインチェック」が仮想通貨交換業者としての登録を完了させた。
3月14日──日立製作所、ブロックチェーン技術で取引の不正改ざん防ぐサービスの販売開始
電機大手の日立製作所が、安定性の高い取引をブロックチェーン技術で支援するサービスの販売を開始した。企業間取引で不正な改ざんが防げるサービスとして注目を集めた。
5月31日──改正資金決済法と改正金融商品取引法が成立、呼び方が「暗号資産」に
改正資金決済法と改正金融商品取引法(金商法)が成立し、2020年4月に施行される見通しになった。仮想通貨の呼び方が「暗号資産」となったほか、金商法上の規制対象として新たに暗号資産が加えられた。
6月26日──ビットコインが一時150万円を突破、2019年の最高値に
6月26日にビットコインの価格が一時1万3,880ドル(約152万円)に達し、結果的にこの価格が2019年の最高値となった。ちなみにこの記事執筆時点(12月25日)では7,000ドル(約77万円)台で推移している。
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6月28日──大阪で「V20」が開幕、直面している課題や新たに規制について議論
G20サミットの開催地・大阪で、仮想資産サービス提供業者サミット「V20」が開幕した。各国・地域の当局や協会の代表者らが集まり、2日間にわたり業界における課題や仮想通貨に関する規制などについて議論した。
7月12日──ビットポイントジャパン、約35億円の仮想通貨流出を発表
仮想通貨取引所「ビットポイントジャパン」が、仮想通貨の不正な流出が判明したと発表した。流出額は約35億円で、仮想通貨の取引などの全サービスを停止した。その後サービスは段階的に再開されている。
7月30日──bitFlyerがレバレッジ上限を15倍から4倍に
国内最大の仮想通貨・暗号資産取引所「bitFlyer」が、証拠金取引の最大レバレッジ倍率を15倍から4倍へと変更した(PDF)。日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)のガイドラインに沿った形となる。
8月19日──楽天ウォレットが暗号資産の現物取引サービスを開始
楽天グループ子会社の楽天ウォレットが、スマートフォンアプリを通じてビットコインなど3種類の仮想通貨の現物取引が可能なサービスを開始した。
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8月22日──Zaifの元運営企業テックビューロが仮想通貨交換業の廃業を発表
過去に仮想通貨の流出事件を起こしたテックビューロが、仮想通貨交換業を廃業すると発表した(PDF)。同社は仮想通貨取引所「Zaif」を2018年11月にフィスコ仮想通貨取引所に譲渡している。
9月17日──LINEグループのLVCが仮想通貨取引サービス「BITMAX」の提供スタート
LINEグループのLVCが仮想通貨取引サービス「BITMAX」の提供を開始した。同社は9月6日に仮想通貨交換業者に登録されており、LINEアプリの「ウォレット」タブから簡単に同サービスを利用できることで注目を集めた。
11月7日──三菱UFJ信託銀行が新サービス「プログマ」について発表
MUFG子会社の三菱UFJ信託銀行が、ブロックチェーンを活用した次世代金融取引サービスの提供について発表した。サービス名は「Progmat(プログマ)」で、サービスに関する技術の特許を出願したことも明かしている。
11月15日──BOOSTRYがSTプラットフォーム「ibet」の公式サイトを公開
デジタル証券とも言われる「セキュリティ・トークン」(ST)の発行と取引が可能なプラットフォーム「ibet」を、野村HDの合弁会社である野村総合研究所の合弁会社「ブーストリー」が公表した。
大手参入が目立った1年、ブロックチェーン活用サービスの市場は倍近くに
仮想通貨ブームが一服したとはいえ、2019年は大手企業の参入で仮想通貨をめぐる動きがより表舞台で顕著になった1年だった。
ブロックチェーン技術を活用した新たなサービスのローンチも目立った。調査会社の矢野経済研究所は、ブロックチェーン活用サービスの市場規模が2020年度は2019年度の倍近い約335億円になると試算している。
2020年も引き続き仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーン業界から目が離せない1年となりそうだ。
文:CoinDesk Japan編集部
編集:濱田 優