見解
- ビットコインは8400ドル(約92万円)超えの7週間ぶりの高値から値を下げたが、2020年1月6日(現地時間)に認められた強気相場はいまだに続いている。
- 小幅な値下がりであり、反発の可能性もある。
- 7567ドル(約83万円)の主要支持線割れで価格が受容された場合には、強気と呼ぶ根拠は弱まるだろう。
ビットコインは数週間ぶりの高値から値下がりしたが、7600ドル(約83万円)付近の主要支持線を超えた強気の範囲にいまだ留まっている。
CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックス(Bitocoin Price Index)によれば、時価総額でトップの仮想通貨であるビットコインは現在、7週間ぶりの高値であった8463ドル(約93万円)から6.5%値下がりし、現在7910ドル(約87万円)で取引されている。
地政学的緊張の緩和が起きたことにより、避難先としての金やその他の安全資産が人気を失う中、1月8日のアメリカでの取引時間帯に今回の引き戻しは始まった。
「ビットコイン価格は、午前11時(東部時間)にトランプ大統領が、アメリカはイランとの対立を発展させることはないと発表してすぐに、(8300ドル〜8400ドル(約91万円〜92万円)の価格帯から)8100ドル(約89万円)へと下落した」と、ビットワイズ・アセット・マネジメント(Bitwise Asset Management)の共同創業者兼最高技術責任者のホン・キム(Hong Kim)氏は1月8日にツイートした。
人気のアナリスト、ラン・ノイナー(Ran NeuNer)氏もツイートを投稿し、ビットコインと金の双方がトランプ大統領のスピーチを受けて値下がりしたことに注意を向けた。
ビットコインは1月3日以来、金と歩調を合わせて値動きしている。ビットコインは1月3日にアメリカがイランに攻撃を仕掛けた後、6850ドル(約75万円)付近の安値から上昇を始め、1月8日のアジアでの取引時間帯に7週間ぶりの高値を更新した。同じ時期に金は、1530ドル(約17万円)から6年半ぶりの高値となる1611ドル(約18万円)超えまで値上がりした。
このためビットコインは、金のより激しい引き戻しに対して影響を受けやすい状態になっている。金は現在、1オンス1547ドル(約17万円)で取引されており、1月8日に記録した1611ドルから4%値下がりした。
リスク資産であるヨーロッパの株式が値上がりし、S&P 500の先物が0.33%上がる中、金はさらに値下がりする可能性があり、ビットコインもさらに引き下げるかもしれない。
それでも、価格が7600ドル付近の主要支持線を超えた水準を維持する限りは、ビットコインの短期的バイアスは強気のままを保つだろう。
日足チャート
ビットコインは2日連続で値下がりしている。しかし、現在7567ドルにある、逆向きのヘッドアンドショルダーの元抵抗線である支持線は健在である。
つまり、1月6日に確認された強気のブレイクアウトはいまだに有効である。
健全な引き戻し?
市場は通常、主要なブレイクアウトの前に元抵抗線である支持線に再び触れることで、弱い参加者(売らずに保持することの少ないトレーダー )を締め出す。
ビットコイン価格は1月7日、5%上昇し、6カ月におよぶ下落チャネルの値上がりへの転換を確かめた。このチャネルブレイクアウトは、2019年4月に記録した4100ドル(約45万円)付近の安値からの強気市場の復活を知らせるものとなった。
そのため、6%の引き戻しは、市場が弱い強気筋を振り落とそうとしていることを示している可能性もある。さらに、取引量もここ18時間で減少している。
時足チャート
価格の下落は、取引量の減少を伴っている。売りの量を示す赤いグラフは、今週始めの売りの量を示す緑のグラフに比べて小さい。
取引量の少ない値下がりはしばしば、短期的なもので終わる。
重要な日足チャートでの7567ドルの支持線への値下がりの可能性は、大きな取引量を背景として100時間平均の7825ドル(約86万円)割れで価格が受容された場合に高まる。
※筆者は現在、デジタル資産を保有していない。
翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
原文:Bitcoin’s Bull Bias Intact Despite 6% Price Pullback