認可を受けた先物市場は仮想通貨を「正当化」する:CFTC委員長

米商品先物取引委員会(CFTC)のヒース・ターバート委員長は、認可を受けたデリバティブは仮想通貨に対する市場の信頼を培うと考えている。

拡大する仮想通貨デリバティブ市場

ヒース・ターバート(Heath Tarbert)委員長は1月13日(現地時間)、CFTCはより優れた「価格発見、ヘッジ、リスクマネジメント」を求めて投資家が「頼る」ことのできる認可を受けた先物市場の構築をサポートしていると経済動画ニュースのチェダー(Cheddar)に語った

「(仮想通貨が)CFTCの管轄下に入ることを可能にすることによって」、投資家は認可済みの信頼できる金融商品にアクセスしやすくなり、仮想通貨への全体的な信頼を改善することができると委員長は述べた。

「私の見解では、(デジタル資産を)正当化すること、そしてこれらの市場に流動性を加えることをサポートしている」

仮想通貨デリバティブ市場は拡大している。依然として未認可の取引所が多くを占めているが、認可を受けた取引所との競争が徐々に激しくなっている。バックト(Bakkt)は2019年9月、現物引き渡し型のビットコイン先物をローンチ、2017年12月に先にビットコイン先物をローンチしたシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)は1月13日、オプション取引を開始した。

オープンな規制体制を提唱

ターバート委員長はインタビューで、自身の見解はCFTCが現在、コモディティと分類している仮想通貨のみに限ったものと繰り返した。2019年4月に就任したターバート委員長は仮想通貨に関して、オープンな規制体制を提唱している。

2019年11月、CFTCのウェブサイトに掲載された文章の中でターバート委員長は、規制当局は仮想通貨に対して、より「原則に基づいたアプローチ」を取るべきと主張した。

「デジタル資産に対する効果的な方法は、潜在的なリスクを軽減しながら、エキサイティングな新しい商品の開発を促すこと」と委員長は記した。

企業が従わなければならない規則を当局が作るのではなく、企業が規制をクリアした商業的に実行可能なソリューションを生み出すべきとターバート委員長は述べた。

CFTCは2015年に初めてビットコインをコモディティと定義し、2017年末にCMEとシカゴ・オプション取引所(Cboe)に対して仮想通貨先物のローンチを許可した時もその分類に従った。イーサリアム(ETH)は2019年10月、SEC(米証券取引委員会)によって証券として認められていないため、コモディティである可能性が高いと考えることは「理に適っている」とターバート委員長が述べたことで、コモディティとして認められたばかりだ。

リップル(XRP)などの他の仮想通貨が近いうちにコモディティとして定義される可能性についてチェダーから質問されたターバート委員長は、CFTCは「どの(仮想通貨)がどの分類に当てはまるかをしっかり検討する」ためにSECと密接に連携しており、「この分野をしっかり見守る」よう投資家に語った。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
原文:Regulated Derivatives Will ‘Legitimize’ Crypto, Says CFTC Chair