ビットコインの価格が100万円を突破した。100万円を超えるのは、昨年11月以来、2カ月ぶり。1月には米イラン間の緊張が激化し、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でビットコインのオプション取引が始まっている。
世界最大の時価総額を有する暗号資産ビットコインは、2020年1月19日14時:16分現在、100万3592円で取引されている。CoinDesk Japanのデータによると、ビットコイン価格が100万円をつけたのは、昨年11月8日以来、2カ月ぶり。
米イランの緊張激化、CMEオプション取引の開始
ビットコインの価格は2020年、イランと米国の緊張が高まるなかで値上がりしてきた。イランが1月8日、米軍が駐留するイラク国内の基地をミサイル攻撃した後には、ビットコイン価格は40分で400ドル弱(4万円)上昇し、92万円に達している。
その値上がりには、リスクの高い資産からリスクへの低い資産へと資金分配をする流れがあったと指摘する者もいた。当時、低リスク資産として有名な原油と金はともに値上がりしている。原油価格は4.3%と著しく値上がりし、金のスポット価格は1トロイオンスで1608ドル(約17万円)付近へと2.19%値上がりしている。一方で、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(DJIA)は0.41%下がり、S&P 500インデックス(SPX)は0.28%下がっている。
この上昇について、仮想通貨取引企業デジタル・アセット・キャピタル・マネジメントの取引担当責任者ジョシュア・グリーン氏は、CoinDeskに対してビットコインの値上がりはイラクで発生している事態への反応だったと指摘した。
また1月13日(現地時間)には、CMEでビットコイン先物のオプション取引が始まった。初日には2億5千万相当が契約された。オプション取引を含むデリバティブ商品の拡充は、機関投資家の参加を促し、資産クラスとしての成熟を促す可能性がある。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock